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承認のスキルを使えば、自然にほめられるだけでなく、叱ることもできます ~ほめルール その③~/2012年12月

ほめろほめろと言われるけれど

このところほめることについて書いています。

今は「ほめる育児が」主流ですので、本屋に行くとほめることについての書籍がたくさんあります。
ですが、不安にもなってきます。
 
「『おだてる』と『ほめる』の違いがわからない。」
「ほめてばかりで本当にいいのか心配。」
「ちょっとほめる余裕がない。」
 
というのはよく聞かれる声です。
 
 
これまではずっと「ほめよう!」と書いてきましたが、ここでちょっと視点を変えてほめるのを止めてみましょう!
 
「えー、止めちゃっていいの?」
 
と思われるかも知れせん。
が、いいんです。
不安になりながらほめていても、お子さんには伝わってしまいます。
せっかく言葉ではほめているのに、お子さんに違う感情が伝わってしまったらもったいないですよね?
 
という訳で。
ほめる代わりに「承認」してみましょう。
 
「ほめるのを止めよう!」
と言いながら「ほめルール③」というのもちょっと不思議な話ですが、このままお付き合いくださいね。
承認ってなに?

承認というのは普段あまり使わない言葉ですよね。

仕事の時、上司にハンコをもらうことを思い出される方もいらっしゃるかもしれません。
 
流れ作業でハンコを押す上司。
 
ある意味今回の承認と似ています。
 
 
というのも、
「相手の存在を認めること」というのがコーチングスキルでいうところの承認なんです。
ですから、回ってきた書類の中身を読まないで(読んでいる方失礼します!)OKのハンコを押すというのは
なんだか似ているな、と思うんです。
「承認」のケーススタディ

とはいえ、これだけではよくわかりませんよね?

ですので、日常のいろんな場面でのコミュニケーションを、承認するバージョンと承認しないバージョンで比較してみます。
どちらが承認していて、どちらが承認していないのか、考えながら読んでみてくださいね。
 
 
□ケース① 朝起きたら
朝何度も何度も起こして、ようやく子どもが起きてきた時の一言
 
 A.「まだ寝てたの? 早くごはん食べなさい! 遅刻するでしょ!!」
 B.「〇〇(お子さんの名前を入れてください)、おはよう!」
 
□ケース② 出かける時
ようやく支度ができて家を出ようとする時、ものすごい寝ぐせを見つけてしまった時の一言
 
 A.「ちょっと、なにその頭! おかしいでしょう。早く直してきなさい」
 B.「寝ぐせついてるよ」
 
□ケース③ 本人がお気に入りの洋服を着ている時
子どもがお気に入りの洋服を着ているのに気付いた時の一言
 
 A.「汚さないでね!」
 B.「あ、今日はお気に入りの洋服着ているね」
 
□ケース④ カルタ大会でたくさん札を取れた時
子どもがカルタ大会でたくさん取れたと話しかけてきた時の一言
 
 A.「で、一番の子は何枚取ったの?」
 B.「へー、たくさん取れたんだ!」
 
□ケース⑤ お友だちとけんかになった時
お友だちとけんかになってしまったが、相手が先にたたいたと主張してきた時の一言
 
 A.「けんかしたら、どちらも悪いの! 謝りなさい」
 B.「そっか、たたかれちゃったんだ。」
 
いかがでしょうか?
①~⑤まで、すべてAが承認していない回答、Bが承認している回答です。
さきほど、承認とは「ありのまま受け入れること」とお伝えしましたが、次のようなやり方で承認することができます。
 ・名前を呼ぶ(ケース①)
 ・あいさつをする(ケース①)
 ・見たことや聞こえたことをそのまま伝える(ケース②、③)
 ・会話の合間にあいづちや感嘆詞を入れる(ケース④)
 ・相手の言ったことをそのまま繰り返す(ケース④、⑤)
 
言葉にしなくても、ハイタッチや握手といったボディタッチや、目を見て話すだけでも承認になります。
承認するとどうなるの?

最初に、ほめルールの③としているのは不思議ですね、と書きました。

実は、何を隠そう、承認の効果はほめられるのと同じ。
言われた人は、自己肯定感がUPし、安心感を得ることができます。
 
でも、承認はほめることよりなんだか簡単にできそうですよね?
毎日一緒にいれば、承認する機会はたっくさんあります!
困ったときは名前を呼んでぽんと肩をたたくだけでもいいんですよ。
 
まさに、呼吸するくらい自然にほめる(のと同じ効果を得る)ことができるのが承認なんです。
 
 
一方、タイトルに「叱ることも」と書きました。
例えば、ケース②の場合。
忙しい朝、寝ぐせを直させようとするとついいらいらして怒ってしまったりします。
そんな時、相手の存在を認めて、そのまま伝えればいいのです。
 
「寝ぐせついてるよ」
 
と。
 
私はよくこれを使っています。
小学二年生男子、といえばまだまだしっかりしていない男の子が思い浮かぶと思いますが、わが息子もまさにそうです。
 
洋服を着替えると、たいてい下着がだらしなくはみでています。
それを見て「また出てる~! ちゃんと入れなさい!!」と叱っても、本人は叱られた(怒られた、ですね。)
だから身だしなみを整えるだけで、次回着替えたらまた出しっぱなし。
「何度言ったらわかるの?」と泣きたくなります。(同じ気持ちのお母様、たくさんいらっしゃるのでは?)
 
そこで、「下着はみ出てるよ」とだけ伝えるように変えてみました。
何度も何度も「はみ出てるよ」だけ。
おかげで最近は下着がはみ出すことはなくなりました。
 
今度は寝ぐせを注意するようになりましたが。
承認のスキルを使えば、自然にほめられるだけでなく、叱ることもできます

承認というと言葉が難しいですが、要は見たまま伝えればOKです。

というのも、見たまま伝える、ということは、相手を見ていないとできません。
つまり、見たままを伝えることで、「あなたをちゃんと見ているよ」というメッセージを伝えることができるのです。
子どもの成長に応じて親が手を出す機会はどんどん減っていきますが、「手は出さず、目は離さず」を実践できるのが承認です。
 
上の例を参考に、ぜひお子さんを承認してみてくださいね。

Mama's profile/プロフィール

よしだ るりこ

よしだ るりこ 【総合話し相手サービスさくらマルシェ代表】

記事テーマ

「声掛けひとつでこんなに変わる!もっと笑顔になるオーダーメイド子育て術」

「何回言ったらわかるの?!」「早くしなさい!」イライラしてつい小言を言っては後悔していませんか?子育てに正解はありません。でも、より子育てが楽しくなり、お子さんのやる気を引き出すコツはあります。お子さんのタイプの見極め方やほめ方、言葉がけの仕方などの子育てのコツを毎回ひとつずつご紹介していきます。ひとつでもしっかり効果は出てきますよ!

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