前回は、ママとお子さんが一緒に野菜作りを楽しめるポイントについてお話ししました。
野菜が育つ様子を見ることで、お子さんの野菜への見方が変わり、野菜を口にしてくれるようになりますよ、ということをメインにお話ししてきましたが、おうちで野菜を育てることは、実はほかにも特権があります。
それは、「なかなかお店では見かけない野菜を育てることができる」ということ。
よく、野菜のお話をするときに、「品種によって、その野菜の食感や味などの特徴もさまざま。いつもの品種だと嫌がるのに、別の品種にしてみたら、とっても良く食べてくれるようになったりすることもあります。」というお話をします。
どういうことか、ニンジンでたとえてお話ししましょう。
いつも食卓に出しているニンジンをお子さんが苦手だったとします。
もしそれが、ニンジン特有の香りが苦手の原因だった場合、香りが少ない種類のニンジンを出してみたら、食べられるようになり、それ以来、ニンジンを毛嫌いしなくなった・・・というようなことです。
そう、お店では、「ニンジン」という名前だけで売られていますが、実はニンジンにも、サラダ向けやジュース向け、などたくさんの種類があるのです。
近年、トマトは大人気なので、「トマト」という名前だけで売られることはほとんどなくなりました。
「桃太郎」をはじめ、「アイコ」 「イエローミミ」あたりは、見かけたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「いつものトマトは苦手だけど、この〇〇というトマトだったら、いくらでも食べられる!」なんていう方もいらっしゃいました。
ただ、問題がふたつ。
トマトは特別として、その他の野菜においては、珍しい品種のものが売っているのを見つけるのは、難しい!ということ。
そして、見つけたとしても、ちょっとお高め。もし、お子さんがその野菜を気に入ってくれたとしても、買い続けるなんて難しいと思いませんか?そんなとき、家庭菜園で育てられると、なんだかお得なかんじがします。
これからの季節、ホームセンターに苗がどんどん並び始めます。
ついつい、タネのほうがたくさん入っているし、値段的にも苗より安いので、魅力に感じますが、気軽に野菜作りを楽しむために、ぜひ苗から始めることをおススメします。
というのも、「苗半作」という言葉があります。
それは「苗がしっかり出来ていれば、野菜作りの半分はうまくいったと同然」といったような意味があるのです。
苗はプロにおまかせして、しっかり育った苗で気軽に野菜作りをしましょう。
◇春夏でオススメのおもしろ野菜◇
・コールラビ ・・・ 見た目はカブだけど、キャベツの仲間。
育つ様子もかわいらしく、おもしろいです。
生で食べるとシャキシャキしているので、
我が家では、白キムチの素で和えると、子どもたちもよく食べます。
・ロメインレタス ・・・ 子どもたちに人気のシーザーサラダ向けのレタス。
しっかりした葉は、シーザーサラダドレッシングもよく絡み、
よりおいしいサラダになります。
このレタスで作ったシーザーサラダを食べて、
「初めてシーザーサラダがおいしいと思った」と言った方も。
・ミニトマト ・・・ 赤・オレンジ・黄・紫など、色はもちろん、
丸・細長など、形もさまざま。
POPなどに、それぞれ特徴が書いてあるので、好みのミニトマトを
見つけて、育ててみてくださいね。
いい苗を選ぶポイントは、
・葉が大きくて、色が濃いこと
・病害虫に侵されていないこと
・茎が太く、しっかりしていること
ひょろひょろと細長い茎の苗は、避けてくださいね。
今回挙げたおもしろ野菜は、育てやすいものばかり。よかったら、お子さんと楽しんで育ててみてくださいね!
藤田 光樹 【野菜ソムリエ】
記事テーマ
「うちの子、野菜を食べてくれなくて・・・」と、よくママたちの会話で聞きます。野菜を育てると、食べてくれるようになりますし、他にもいいことがたくさんあります。四季を感じ、野菜を育て、収穫し、食卓を囲む、そんな「野菜を育てるくらし」を私の体験も交えながら、みなさんにも気軽に取り入れてもらえるよう、ご紹介します。