野菜を育てる暮らしをしていると、気候や草木が花咲くこと、鳥や虫たちの動きなど、自然に向き合うようになります。
今の時期は、藤の花が咲く頃ですね。藤の花が咲いたら、ゴーヤ・ラッカセイ・オクラの種を蒔くことが出来ます。みなさんの所では、藤の花は咲きましたか?
今は当たり前のように、いろいろな野菜を一年中食べることができます。
「ママ、トマト食べたい!」
「じゃ、買いに行こうか!」
先端技術を使って野菜を育てることのできる、今の時代だからこその便利さですね。
でも、ちょっと「これでいいかな?」と私は思います。
野菜も植物。本当は、旬があります。
太陽や季節の恵みに合わせて、本来の姿で育っていく野菜たちを見るのは、今まで見過ごしていた、ごく当たり前のことにたくさん気づかせてくれます。
「トマトの旬って、今なんだな」と旬に気づくことはもちろん、背丈が伸び、花をつけ、実がなり、色づく、そしてそれを取り巻く自然のさまざまなこと。
そんな人それぞれが発見する気づきは、小さな喜びや感動として記憶に残ります。
また、旬の時期にスクスクと育った野菜は、特別おいしいだけでなく、記憶に残る味です。
当たり前のことばかりですが、五感を使って自分で育ててみるからこそ、ちゃんと実感できるのだと思います。
野菜には旬がありますが、実は子どもにも旬があります。子どもが、野菜に興味を示した時が始め時です。「今度ね」なんて言っていると、いつの間にか興味を失ってしまっています。
ちょっとでも興味を示したら、チャンスです。見逃さないで、野菜作りを始めてみましょう。
5月中旬ぐらいまで、いろいろな夏野菜の苗を植えることが出来ますよ。
我が家は、子どもたちが好きなトマトで、種類は4つ選びました。
色・形が違うのはもちろん、生きている野菜ならではの、みずみずしさも加わって、きっと「トマト、きれい!」と喜んでもらえそうだと思ったからです。
寒い冬の頃、まだ会話がたどたどしい2歳の次女と話していた時、「ネギ買いに行こう」と言ったら、「畑に行くの?」と返してきました。
次女の中では、ネギ=畑、となっているようです。しっかり、畑が次女の中で根付いているんだな、と実感しました。
みなさんも、チャンスを見逃さないで野菜作りを始めてみてくださいね。
藤田 光樹 【野菜ソムリエ】
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「うちの子、野菜を食べてくれなくて・・・」と、よくママたちの会話で聞きます。野菜を育てると、食べてくれるようになりますし、他にもいいことがたくさんあります。四季を感じ、野菜を育て、収穫し、食卓を囲む、そんな「野菜を育てるくらし」を私の体験も交えながら、みなさんにも気軽に取り入れてもらえるよう、ご紹介します。