少し早く、梅雨入りしましたね。
畑では、5月に植えつけたトマトやナスの苗たちが、すくすくと育っています。
春先に種まきした、ハツカダイコンやカブで、取り残していたものは、どんどん生長し、花を咲かせ、種をつけ始めました。
食べ損ねて、もったいない??
いえいえ、これも野菜を育てている人ならでは、のおもしろさ!
普段は、「食べる」ことを中心とした考え方で、野菜を見ていますが、ここまでくると、「生きている植物」という見方で、種から始まり、種を作って終わる、という野菜の一生を見ることが出来ます。
ちょっと難しいことかもしれませんが、野菜を「おいしい」 「おいしくない」だけで見るのではなく、こうして、『種⇒生長⇒また次の為に種を作る』という、ぐるぐる廻る命を感じることは、食に対する考え方を、とっても豊かにしてくれると思います。
ハツカダイコンのはじまりは、こんな小さな小さなタネ。
ほんわかした日差しの春先に、子どもたちが蒔いたハツカダイコンは、数日で芽を出し、名前の通り20日前後で、収穫できるほどになりました。
種まきから収穫まで、それほど時間がかからないですし、収穫も「ぽこっ!」と引っこ抜くのは、とっても楽しいので、お子さんと育てるにはピッタリです。
収穫したハツカダイコンは、我が家では、サラダにしていただきました。
自分が育てた野菜を料理するって、子どもたちも本当に嬉しいようで、どんどん手伝ってくれたり、積極的に動いてくれます。
自分が、いつも口にしている野菜がどんな風に育つか見ることが出来て、さらに料理まで楽しむことが出来るなんて、やっぱり野菜を育てることって、おもしろいな、と思う瞬間です。
それに、料理をして食べる、という大切なことも感じられますよね♪
さて、少し畑に残しておいたハツカダイコンや、カブは、葉の真ん中から、すーっと茎が伸びて、ぱっとかわいらしいお花を咲かせます。
我が家のハツカダイコンは、真っ赤なタイプだったので、お花もうっすらピンク色。
カブは白いものだったので、お花は真っ白。
お花のあとは、このようにサヤをつけます。
この中に、種が入っているんですよ。
余談ですが、実は、このサヤ、食べたことがあります。
味は、ダイコンの味。
「そうだよね、ダイコンの実だから、ダイコンの味だよねぇ」
と、妙に感心してしまいました。
こうして、種から始まり、また種が出来て、野菜はおしまい。
タネは、土の中で、また芽が出るのにちょうどいい季節まで、じっと待ち、その時期が来たら、また芽を出し、命が始まります。
「いつも食べているお野菜は、本当は最後はこうなるんだね。」
「いつもは、種が出来る途中で食べていたんだね」
そんな会話を楽しみながら、野菜を育ててみるのも楽しいですよ。
藤田 光樹 【野菜ソムリエ】
記事テーマ
「うちの子、野菜を食べてくれなくて・・・」と、よくママたちの会話で聞きます。野菜を育てると、食べてくれるようになりますし、他にもいいことがたくさんあります。四季を感じ、野菜を育て、収穫し、食卓を囲む、そんな「野菜を育てるくらし」を私の体験も交えながら、みなさんにも気軽に取り入れてもらえるよう、ご紹介します。