寒さが増して、野菜が甘くおいしくなる季節になってきました。
よく「寒さにあたると野菜が甘くなる」と言いますが、なぜだかご存知ですか?
それは、「野菜が寒さで凍ってしまわないように、細胞内にためてきたでんぷんを糖に変えているから」なのです。
冬野菜は90%以上が水分の為、氷点下になると凍ってしまいます。
凍ると、細胞が壊れて生きていけなくなるので、野菜たちは自分たちの身を守るため、自身の糖度を上げていたのですね。
「冬の厳しい寒さ」という自然のこと、野菜が生き延びる為にしていたこと、結果、私たちがおいしく食べられるようになっていること・・・うまく繋がっていることが、なんだか「自然と人間のつながり」のようなものを強く感じますね。
また、「冬野菜は体をあたためてくれる」など、栄養面などともうまい具合につながっていて、野菜は知れば知るほど、面白いものです。
さて、そんな冬の寒さの中、頑張って育ってくれた我が家のキャベツを子どもたちと収穫しました。
キャベツはキャベツでも「芽キャベツ」です。
一般的なキャベツが育っている様子をなにかで観ることがあっても、芽キャベツはなかなか観る機会、収穫できる機会はないと思います。
芽キャベツは、子どもでも収穫できますし、一般的なキャベツとは違うおもしろい実のつけ方をするので、育てていて楽しいですよ。
また、一般的なキャベツは、ひとつ取ったらそれでおしまいですが、芽キャベツは小さい実を次々につけてくれるところも、嬉しいポイントです。
そして、子どもたちの大好きなシチューに入れてあげると、彩りがぱっと楽しくなり、いいですよ♪
ぜひ、来年チャレンジしてみてください。
普通のキャベツと大きさ比べをするのも、面白いですね。
一粒の種から育ち、食卓まで・・・野菜を育てる暮らしは、全部の過程を見ることが出来る、すばらしい教材のようなものですね。
私自身、子どもと体験しながら、毎回そう感じています。
キャベツは、春系キャベツ・夏秋キャベツ・冬キャベツなどに分けられて、春系はやわらかくみずみずしいので生食向き、冬は堅くしまり、葉もしっかりしているので、ロールキャベツなど加熱料理に向いています。
スーパーで買うときも、春と冬ではポイントが違います。
冬キャベツは、持ってみて重いもののほうが、よく締まっているキャベツ、春系キャベツは葉がつややかで、巻きがゆるくふっくらしているものを選びましょう。
どちらにも共通するのは、芯が500円玉ぐらいの大きさのものを選ぶということ。
あまり大きいと、成長のしすぎで苦味が出てきます。
ちなみにレタスは、冬キャベツとは反対に、持ってみて軽いもののほうが、美味しいレタスです。
買うときの参考にしてみてくださいね。
藤田 光樹 【野菜ソムリエ】
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「うちの子、野菜を食べてくれなくて・・・」と、よくママたちの会話で聞きます。野菜を育てると、食べてくれるようになりますし、他にもいいことがたくさんあります。四季を感じ、野菜を育て、収穫し、食卓を囲む、そんな「野菜を育てるくらし」を私の体験も交えながら、みなさんにも気軽に取り入れてもらえるよう、ご紹介します。