さて、私の提唱している、「暮らしの中で身につけるさんすう」の中で、今日お話しするのは、「割合」についてです。小学生は、学校では6年生に、塾に行っていれば5年生に、「割合」を習います。これが、実は、とても難しい単元なのです。
なぜなら、
1.抽象的な概念である
2.小数や分数が沢山出てくる
3.式が立てにくいうえに、計算が面倒
だからです。
でも、小さい時から、暮らしの中で「割合」に触れてきたお子さんは難なく出来るようになります。今日は、その中で、特に「売買損益」について、お話したいと思います。
では、「売買損益」って何でしょうか? 実は、「バーゲンセール」などでよく見られる、「~割引き」とか「・・・%オフ」とかで表されるもののことです。
なあ~んだ!簡単じゃない!・・・・ですよね? 私たちが、実はスーパーマーケットやデパートで頻繁に目にしている言葉なのです。
「売買損益」には、2通りあります。
1.「3割引き」「2割5分引き」などで表される比率
2.「50%オフ」や「35%引き」などで表される比率
です。この2つが自由に使えるようになることが必要なのです。
さて、お子さんが「売買損益」のお勉強で困らないようにするためには、何といっても、一緒にお買いものに行くことです。
「1000円のものが20%引きになっているね」
「20%引きって何のことかしらね」
という会話から、まず、全体が100%である、ということを教えます。このとき、テストで満点とったら100点だよね、あれが100%だよ、と身近なことで子どもに理解させましょう。
そして、品物には、仕入れ値がある、ということ。そこにお店の利益が加わって、定価が作られていること、そして、20%引き、というのは、定価から安くなって、それが売り値となっていること、などもお話ししてあげてくださいね。
意味が分かったら、今度はどうやって計算するのか、ですね? まず、割合の比率を小数に直す練習をします。20%は、0.2、3割は0.3、15%は0.15、5分は0.05です。
「1000円の20%」は、1000×0.2=200円です。ですから、1000円-200円=800円、で、800円が売り値、ということになります。
慣れてくると、最初から、売り値を出すことも出来ますが、最初は順序立てて、教えてあげた方がわかりやすいです。
そうすると、お子さんは、目の前のものが、どうしてその値段になっているのか、を理解することができますよね。
買い物以外にも、「割合」のお勉強に最適なものがあります。それが、「野球」です。男の子のお子さんをお持ちのお母様は、野球の「打率」をいうのをご存じでしょうか?
「打率」は、ヒットを打った回数 ÷ 全打席 で求めることが出来ます。良く言われる、「3割バッター」というのは、10回打って、3回ヒットを打つ人のことです。3÷10=0.3・・・3割 ということですね。
もちろん、「売買損益」でも「…割」は出てきます。1000円の3割というのは、1000×0.3=300円です。ですから、3割引きの商品、というのは、1000-300=700円、ということになりますよね。
いかがですか?
少し難しいかもしれませんが、暮らしの中に「割合」は沢山あります。お子様と一緒に、日々の生活の中で、「売買損益」や「打率」に親しみながら、割合のお勉強で困らないお子様にしてあげてくださいね。
・小さいお子様は小学校に入って困らないために、小学校のお子様は塾に行って困らないために、ブログでいろいろなお勉強の方法をご紹介しています。
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大迫 ちあき 【中学受験アドバイザー】
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生まれつきの子供の能力に差はありません。大切なのは、学習の「環境づくり」です。「算数って面白い!」「お勉強って楽しい!」とお子様に感じさせてみませんか?ここでは、ママと子供が楽しめる、日々の生活の中で出来る「事物学習」を中心に書いていきます。