私は、中学受験の算数講師を長年やってきましたが、「試験に強い子」「本番に強い子」や、その反対に、「試験に弱い子」「本番に弱い子」など、たくさんのお子様を見てきました。
この差はどこからくるのでしょう?
同じ実力があるのに、試験の際にその力を発揮できないというのはとても残念なことです。
また、それだけではなく、お友だちにいじめられたり言葉の暴力を受けたりして、不登校になってしまうお子様も確実に増加しています。
子どもたちが強い心を持つために私たち大人は、何をすればいいのでしょうか?
まず、一番大事なことは、子どもたちに「自己肯定感」を持たせることです。
自己肯定感というのは、「自分はとても大切な存在なんだ」という実感を子どもに持たせることです。
そして、この「自己肯定感」を付けるためには、「私(僕)は、親から愛されているんだ」という思いを子どもたちが持つことが必要なのです。
子どもたちは、「自分を無条件に愛してくれている人がいる」ことで、「自分に自信を持つ」ことが出来るのです。
強い心を持てるかどうか、の鍵になるのは、まさに、「自己肯定感」をもてるかどうか、が大きなポイントなのです。これがあれば、何があってもくじけない心をもつ人間になることが出来るのです。
子どもに自己肯定感を持たせるためには、まず、子供を絶対評価することです。
「○○ちゃんは出来るのに、どうしてあなたは出来ないの?」
「××ちゃんは、こういう風にしているから、あなたもやってみる?」
こういう言葉かけは、子どもにとって、激励とは程遠いものです。他のお子さんと比べて、あれが出来る、これが出来ない、と思うことはやめましょう。
「昨日と比べて、今日の子どもはどうだったか?」という絶対評価で見てあげましょう。そして、頑張ったら、その努力を褒めてあげましょう。
努力を認められた子どもは、くじけない気持ちを持つことが出来るのです。
最近のお子さんは、極端に、失敗を恐れる傾向にあります。算数を教えていても、「間違えることを嫌がる」のです。昔よりも子どもの数が減って、お母様やお父様の目が行き届きすぎるのかもしれません。
失敗してもいいから、チャレンジしてみる・・・ちょっと難しいことに挑戦してみる。間違ってもかまわない・・・わからないことは恥ずかしいことではない。
そういうことをお子様に教えてあげてほしい、と思います。
一度も失敗しなかった人なんていないのです。間違えたことのない人なんていないのです。
そこから、強い心が育っていくのです。失敗してもくじけない心を持つためには、失敗してみることも必要なのかもしれません。
子どもの行く先の道の石ころをずっと拾っていくことはできません。
ある時は、石につまずくこともあるでしょう。世の中は、自分の思い通りにいくことばかりではありません。
その時に、立ち上がれるのが強い心を持った子どもです。そして、それが出来るのは、「夢」をもっていることだと思います。
自分がやりたいことを実現するために頑張ることで、強い心が育ちます。
私たち、大人は、そういう「夢」を持った子どもたちを作っていかなければ、と思います。
東京・世田谷で、個別指導塾・少人数制算数教室・幼児向けさんすうスクールを開いています。
お母さまへの学習カウンセリング・セミナー・講座も開催しています。
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大迫 ちあき 【中学受験アドバイザー】
記事テーマ
生まれつきの子供の能力に差はありません。大切なのは、学習の「環境づくり」です。「算数って面白い!」「お勉強って楽しい!」とお子様に感じさせてみませんか?ここでは、ママと子供が楽しめる、日々の生活の中で出来る「事物学習」を中心に書いていきます。