パンづくりにおいてこの「こね」の作業が一番大変だ!と思われている方も多いと思います。
「こね」の作業はパンづくりにおいて欠かせない作業なのですが、そもそもなぜ生地をこねるのでしょうか? そしてこねるとどうなるのでしょうか?
まず、何のためにこねるか。
それはグルテンを出すためです。グルテンとはパンの基礎となるもので、このグルテンには酵母の出すガスをうまく閉じ込める大事な働きがあります。グルテンがうまくできていないと、ガスがうまく閉じ込められないので膨らみの悪い生地になります。
グルテンはこね続けると、更に細かく伸びの良い生地になり、焼き上がりの内層がきれいになります。すだち(気泡)が小さく大きさがそろいます。
ただ、キメを細かくしたいという思いでこねすぎてしまうと、逆に今度はグルテン膜を傷つけてしまい切れてしまうので注意が必要です。
食パンの断面を見たことがあると思いますが、とてもきれいに気泡の大きさがそろっていると思います。これはたくさんこねているからです。また反対にバゲットの断面はどうでしょうか?大きな穴がボコボコあいています。こちらは食パンほどはこねることはありません。
もちろん材料など他の要素もありますが、大きな要素としてはどの程度こねたか、で最終的にできるパンが決まってきます。おうちパンの場合はフランスパン以外の惣菜パン系、菓子パン系、食事パン系はよくこねてあげた方が良いです。
パン生地のこね方は色々あります。バンバンたたきつける方法、手でゴシゴシ洗濯板に擦り付けるようにこねる方法、ボウルの中でたたむようにしてこねる方法。
こねる目的は上記にも記したように「グルテンを出すこと」です。グルテンは、小麦粉に水を加えて圧力をかけることでできてきます。なので、どんな方法でもグルテンが出ればOKです。
こねるスタイルを気にするよりも、自分が一番楽な方法でこねることが大切です。こねるのが大変だとパンづくりが一大イベントになり、毎日食べるパンがいつまでたっても自分では焼けません。
私は手でこねる作業が好きですが、毎日食べるパンを毎回作るたびにこねるのは大変なので、手ごねは気が向いたときにしかしません。教室にお越しくださる生徒さんにも「毎日食べるパンをママのパンにしてもらいたい」と思っているので、ニーダー(生地をこねるキッチンツール)代わりに【ホームベーカリー】もオススメしてます。
子どもがいると、両手が汚れるこの「こねる」という作業が億劫になります。両手がベトベトになる時に限って子どもは「ママ~」とよってきます。それではなかなか作るタイミングが難しい。
そこで私はホームベーカリーをオススメしてます。材料を測ってボタンを押すだけで生地が完成します。それで十分です。
ホームベーカリーが眠っている方は是非引っ張り出してきてください。焼成までずっとホームベーカリーではなくて、こねや1次発酵が終わったところから自分でやれば立派なママの手作りパンです。
私は実験用に8000円程度の比較的安いホームベーカリーを持ってますが、きちんと動いてくれ、こねるだけなら十分です。
どうぞ、うまく道具を使って毎日食べるパンを少しずつ手作りにしてください。
吉永 麻衣子 【パン教室主宰】
記事テーマ
ママが子供たちのために焼いた【おうちパン】が毎日食卓にあったらとってもしあわせ!パンをこねるママの姿、ふわふわふくらんでいく生地、オーブンからパンの焼ける香り。「子育てで忙しい!パン作りは難しい!」と思っているママさんへパン作りを失敗しないための小さなコツ、お手軽なレシピ、しあわせエピソード等お伝えしていきます。