小麦粉には主に2つの分け方があります。
【タンパク質量による分け方】
タンパク質の量によって名称がかわります。タンパク質が一番少ないものが薄力粉、それから中力粉、準強力粉、強力粉とタンパク質量が多くなってきます。最近では最強力粉というタンパク質量がとても多い粉も販売されてます。
タンパク質はパンの粘りの元になるグルテンになります。なので、タンパク質量が多い粉である強力粉がパンには向いています。薄力粉に同じだけの水分を足しても強力粉のようにかたまりにはならず、ホットケーキミックスをとかしたようなドロドロ状態のままです。
このグルテンができるというのが小麦粉の最大の特徴です。
従って、米粉や片栗粉、ライ麦粉などありますが、これらは水分を加えていくらこねてもグルテンは出ず当然パンにはなりません。強力粉に混ぜて使うことでいろいろな風味や食感になるため使われることが多いです。
【等級による分け方】
小麦粉は収穫した麦の殻をとり、外皮を削って粉砕して作られます。その外皮をどれだけ削るかによって等級が決まります。特等粉から末粉まであります。少し前までは真っ白な粉が一番高級で好まれましたが、ここ最近では少し胚芽が混ざっているものの方が栄養価が高いということで注目されてます。
スーパーで粉を購入する際、銘柄が書かれていないものでもこの等級は書かれていることが多いです。もしどれを買うか迷ったら、特等粉、1等粉を購入すれば間違いがないです。
パンやお菓子の材料店に行くと、強力粉だけでもどれを買おうか迷うくらいたくさん並んでいると思います。
お米にコシヒカリやササニシキといった銘柄があるのと同じように、小麦粉にもいろいろな銘柄があります。
国内産のものは、もちもちとした食感と噛んでいると甘みがでてくるという特徴があります。タンパク質量は海外産のものより少ないので、小ぶりのパンが焼けます。『はるゆたか』、『春よ恋』などがこれにあたります。
ホームベーカリーのレシピ通りに焼いているのに、「思ったより小さい食パンが焼けた!」ということはありませんか? もしかすると粉が関係しているかもしれません。
海外産の強力粉は大きく膨らむという特徴があるため、ホームベーカリーのレシピなどには『カメリア』、『ゴールデンヨット』、『スーパーキング』などと銘柄指定されていることが多いです。
おいしいからといって国産の粉を使用すると、思ったよりも小さい食パンが焼けます。
2種類の粉を焼き比べると、焼き上がりの背の高さにかなりの差が出ます。どちらが良い、悪いではなく好みの問題です。ふわふわな食感が好き、どっしりが好き、甘みがあるのが好き、など好みがあると思います。どうぞいろいろな粉を試してお好みの粉を見つけてみてください。
収穫した時期によっても味が変わるため、私も仲間と一緒に何種類もの粉を一気にこねて焼き比べをして、粉の状態を確かめたりしています。ちなみに私は強力粉ははるゆたかブレンド、準強力粉はリスドォルが好きで使っています。
同じ強力粉でも銘柄によって膨らみや風味が違うことを知っていれば、パンによって使い分けることができたり、大きく焼ける予定が小さくてガッカリ、、ということが減りますね!!
吉永 麻衣子 【パン教室主宰】
記事テーマ
ママが子供たちのために焼いた【おうちパン】が毎日食卓にあったらとってもしあわせ!パンをこねるママの姿、ふわふわふくらんでいく生地、オーブンからパンの焼ける香り。「子育てで忙しい!パン作りは難しい!」と思っているママさんへパン作りを失敗しないための小さなコツ、お手軽なレシピ、しあわせエピソード等お伝えしていきます。