ベーカーズパーセントとはパンの配合の表記方法です。外パーセントの考え方で表記されており、粉を100としたときに他の材料が粉に対して何パーセント入るかが記されています。なので、全部を足して100になるわけではありません。
例えば強力粉100%、イースト1.5%、塩2%、砂糖5%、水70%、ショートニング5%という配合。
これを分量に直すと強力粉200g、イースト3g、塩4g、砂糖10g、水140g、ショートニング10gとなります。
ここまでよろしいでしょうか?
「粉」の定義ですが、レシピに記される粉全て足して100として計算します。粉といえば、パンに使う主な粉はこのようなものがあります。強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、全粒粉、ライ麦粉、米粉、タピオカ粉です。
では実際の使い方をご紹介します。
『あまった粉を使い切りたいとき』のベーカーズパーセントの使い方です。
例えば手元に残っている強力粉は280g。でもレシピは150g。なんとか使い切りたいけれど倍にしてしまっては多いし…と悩んでしまう場合の使い方です。
そんなときにベーカーズパーセントを使ってみてください。もともとのグラムは一旦無視してベーカーズパーセントからグラム数を出します。
例えば手元に280gの粉がある場合です。
粉を100とするので、280gの強力粉を使いたければ、イーストの量は280gの1.5%で 4.2g、塩の量は280gの2%で5.6g、砂糖の量は280gの5%で14g…と計算していきます。
そうすればいつものパンと味を変えずに、粉をきれいに使 い切ることができます。
お持ちのレシピにベーカーズパーセントが載っていなければ、グラムから逆算してベーカーズパーセントを出してくださいね。
もうひとつの使い方は、少し難易度が高いので、パン焼きに慣れているかたにオススメのベーカーズパーセントの使い方です。それは『パンを作らなくても配合を見るだけでおいしい生地か判断する』という使い方です。
ポイントは2つ。
【1】イーストの量
2%以上入っているものは発酵は早く進みますが、その分生地は熟成されず、焼きあがりはイースト臭がして少し気になる可能 性があります。本来は、本当に少ない微量のイーストで長時間の発酵を取るのがおいしいパンを焼くコツなのですが、子育てしながら何時間も待つことができないと思いますので、イーストの量は粉に対して1.5%程度にしてください。イーストを減らした場合、レシピの発酵温度・時間では発酵が完了しないと思い ますので、温度はそのままで時間を長めに取ってあげてください。
発酵の見極め方は別記事でご案内いたします。
【2】水の量
粉に対して仕込み水の総量が70%前後であれば、おいしい生地である可能性が高いです。仕込み水の量が少ないと、 初心者の方にはこねやすい生地かもしれませんが、焼き上がりは水分が少ないためどうしてもパサパサしがちです。
逆に水分量が多い生地は、おいしいですが手にまとわりつい て初心者の方には向きません。ひとつの目安として65~72%程度かどうか確認してみてください。
おうちにあるレシピ本、「この本で作るとなぜかおいしくないのよね」と思っている本があれば、見直すチャンス!かもしれません。
吉永 麻衣子 【パン教室主宰】
記事テーマ
ママが子供たちのために焼いた【おうちパン】が毎日食卓にあったらとってもしあわせ!パンをこねるママの姿、ふわふわふくらんでいく生地、オーブンからパンの焼ける香り。「子育てで忙しい!パン作りは難しい!」と思っているママさんへパン作りを失敗しないための小さなコツ、お手軽なレシピ、しあわせエピソード等お伝えしていきます。