育児書を見ても、保育園・幼稚園のおたよりにも「たくさん褒めてあげてくださいね」とよく書いてあります。わかっちゃいるけど、いったいどういうタイミングで、何について、どう褒めたらいいの?調子に乗ってしまわない?なんだかわざとらしくなってしまうんだけど…。
今回はそんな疑問にお答えします。
ずばり、一番大事なのは、褒める自分が本気かどうかです。「ここは褒めるべきところ」という意識で褒める時、子どもに伝わるメッセージは半減どころか、逆効果の場合もあるのです。
例えば、子ども同士でおもちゃの取り合いになったとします。それを自分の子どもが譲った時に「偉いね、貸してあげたんだね!」と言ったとします。この時、ママが「おお、自分も遊びたいのに、先に貸してあげるなんて、すごい。こんなに小さいのに、仲良くしたいって気持ちがあるんだなあ」と感動していたとしたら。お子さんにも、その気持ち、きっと伝わります。お友だちも嬉しそうで、ママも嬉しそうで、自分も嬉しい。誇らしい。育児書にある「褒めてあげると伸びる」というのはこんな時なのでしょう。
では、ママがこんな気持ちだったらどうでしょうか? 「この子ったら、闘争意欲が薄いのかしら。気が弱くて、これから幼稚園や学校でちゃんとやっていけるのかな。いじめられたりしないか心配…」 その不安を打ち消すように「え、偉いね、貸してあげたんだね!」と言うと、なんだか学芸会みたいに響いて、ママもモヤモヤ、お子さんも言葉では褒められているけどなんだか居心地が悪いような、自分を肯定してもらえていないような気分になるかもしれません。言葉と、雰囲気が、別のメッセージを伝えているのですね。
また、こんな気持ちだったら? 「もう、うちの子が先に遊んでたのに、相手の親はなんで注意しないの!?」と怒りを押し殺して「偉いねー、●ちゃんは、貸してあげたんだもんね!」と言えば、あてつけのような、攻撃的なムードが漂います。お子さんは、「あれ?なんでママ怒ってるんだろう?何か自分は間違えたかな?」と混乱するかもしれません。
では、心から子どもを褒める時、私たちの感情はどんなふうに動いているのでしょう。
「すごい!こんなことができるのか!」「へえ!こんな風に考えていたなんて!」「いつの間にかずいぶん成長したなあ」という感動と驚き。「優しい気持ちが育ってるんだ」「今このときを一緒にすごせて嬉しいなあ」「ひとりの人間の成長に立ち会っている・関わっている」という喜び。「大人にも大事なことに気づかせてくれてる」「この子が居てくれることだけでなんて幸せなんだろう」という感謝。そしてじんわりと湧いてくる、愛の感情。
これらの感情があるならば、それをできるだけそのまま素直に伝えることが子どもの育ちには何よりの栄養になる!と私は思います。
「ママ今日、感動したよ」「びっくりしたよ」「●ちゃんが、~した時、すごく嬉しかったんだ」「幸せな気持ちになったよ、ありがとう」「●ちゃん、大好きだよ~」
そんなふうに湧いてくる言葉のほうが「偉い」とか「すごい」という評価よりも、もっと深いところに届くのではないでしょうか。(偉い・すごいという言葉がいけないのではありません。これも心から出てきた感動を持って伝えるときには、よいと思いますよ。)
「そんなドラマみたいな大げさなことは日常には起こらないよ」とか「うちの子、褒める所がみつからない」なんて気分になることもあるかもしれませんね。人は、感動や喜びを感じにくくなる時があります。それは、自分がしんどい時です。
我慢して、頑張りすぎていたり、何か不安や悲しみを打ち消して押し殺しているような時には、喜びや幸せもどんどん感じにくくなっていきます。TVやオーディオの音声ボリュームのつまみやボタンを思い浮かべてください。ココロの中の「感情」のボリューム設定は1つしかなくて、ネガティブな感情のボリュームを抑えていると、ポジティブな感情も小さな音でしか鳴らなくなってしまうのです。感情全体が麻痺した状態になるのです。
もしかして、今少ししんどいのかもしれないと感じたら。「ちょっと休みたいなあ」と口に出してみてください。ココロと言葉がかっちりと合っている時、どこかほっとするものです。
「私だって褒めてほしいよ」と思う時には「ほんと私ってよくやってるよ。頑張ってるよ」と言ってみてください。人に言ってもらいたくなったら「私も頑張ってるねって言われたいんだよね」って誰かに打ち明けてみてください。「ほんとだよね~!いや、うちら頑張ってるよ!!」とママ仲間と盛り上がるもよし。ただただ聴いてくれる友人や、カウンセリングなどを利用するのもいいですね。(パートナーと盛り上がるには、パパの個性や状況によってコツがあります。これはまた1記事分になりそうなのでまたいずれ!)
心の中の不具合は、コミュニケーションによって調整されていきます。安全な場で外に出す、受け止めてもらえる、共感してもらえることで、感情は昇華され、一歩先へ進めるのです。
人を育むという大事業は、本来、人間にとって喜びをともなう行為ではないでしょうか。そこに辛さを感じる時には、何か自分自身にケアが必要だということに気づいてくださいね。
感情のボリュームを知らず知らずに絞っていると気づいたら、辛い気持ちを表現してみて、あらためて幸せに向かいましょう。感動、驚き、喜びを取り戻して、子どもとの暮らしならではの「育む」喜びと豊かさをじゅうぶん味わいましょうね!
私のお伝えしたい子どもを褒めるコツは、「心からの喜びの表現であること」です!!
ココロの声を聴く、聴き方。
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高橋 ライチ 【コミュニケーション・カウンセラー】
記事テーマ
子どもたちには、幸せになって欲しい!ママたちの共通の願いですね。豊かなココロを育て、人とつながる「コミュニケーション力」を育み、社会へ送り出しましょう。ブライト・コミュニケーションを実践していくと、ママの人間関係もぐっとラクに楽しくなりますよ。