先日子育てに関するトークライブの打ち合わせをしていた時に「子どもの言うことをききすぎている」との指摘を受けた、という話が出ました。
まず、パパからみて、「ママが子どもの言うことをききすぎて、子どもが調子にのっている」と思う例があります。またその逆に「パパは自分の都合で、子どもの言いなりになっていい顔するので、教育的に示しがつかない」というママの声もあるんですよね。
子どもの言い分に耳を傾けてよく聴くことと、実際に子どもの望みどおりにしてあげることとは違います。
今回は、たとえ望みどおりにしない時でも、言い分を聴くこと、についてのお話です。
理想を言えば、子どもが何か主張があるならば、できる限り聴いてあげたいものです。
ご飯の前だけどアイスが食べたい、出かける予定だけどTVが観たい、なんていうものまで、いったんその要望をオウム返しに繰り返して、やりたい気持ちを受け止めてあげると、こちらの事情も説明しやすくなります。
ただし「こちらの言うことをきかせるために、まず聞き出す」という下心が前面に出ては効果ありません。子どもの頃を思い出して、冷凍庫にアイスがあることを知っていて、ご飯の後までなんてとても待ちきれない!そんな気持ちに共感してみてください。
「そうだよね、大好きなんだもんね、今すぐ食べたくなっちゃうよね」
「ねえいいでしょ!ご飯も全部食べるから!!」
「そうか、ママがなんでダメって言ってるかも知ってるんだね。ご飯が食べられなくなると困るからなんだよね。わかってくれると嬉しいよ」
「だから全部食べるから!約束するから!!」
「アイスの後でも絶対ご飯食べられるって、『今は』思うんだね。とにかく早く食べたいんだねえ~」
このあたりで、子どもの勢いが落ちてきます。(ヒートアップしたらもう少し共感して聴いてみましょう)
「早く食べたいなら、急いでご飯の準備するから手伝ってくれる? お腹すいて食べたほうがご飯は美味しいから。せっかく作ったご飯はおいしく食べて欲しいんだ。その後でアイス食べても、アイスは満腹でも美味しいんだよね。デザートにしない?そしたらご飯も、アイスも美味しいじゃない? 今日は美味しいものいっぱいで嬉しいね。さ、お茶碗並べてくれる?」
年齢に応じて、甘いものを先に食べると満腹信号が脳に出て、食べられなくなるという話などもしてみてもいいですね。
時間とココロに余裕さえあれば、子どもの言い分は全部よく聴いて、その上でこちらの主張もきちんと説明したいもの。それも大事なことは一度でわからせようとせず、繰り返して伝えることが大切です。
子どもにとって「自分の意見が却下された」経験で終わらせずに、「いったん却下されたけど、それなりの理由があって親は言ってるので、結果的に良かった」経験になれば、次回以降少しずつ聞き分けがよくなっていくのではないでしょうか。
約束を守れたことや、その結果良かったことをしっかり言語化して経験に落とし込みましょう。早めに夕飯の支度と食事を終わらせて、食後にアイスを食べる時には、幸せ感を分かちあうことを忘れずに!
「良かったね~、アイスにたどりつけて! ママもご飯を全部キレイに食べてもらって嬉しいよ♪ 作ったものを残されると悲しいし、あなたは大きくなる時期なのに栄養が偏るのが心配だから。ね、おなかいっぱいでも、アイスは美味しいよね。また買ってくるね。今日はお手伝いもしてくれてありがとう!」
実感をこめて、お互いにとってメリットのある選択だったということや、協力してくれたことへの感謝を伝えましょう。
親の主張は、子どもと対立するものではない、という経験を重ねていけば、話し合う余地が出てきます。
とはいえ、時間がない時やカッとなった時には私もついつい「つべこべ言わずにやれ!」「ダメだったらダメ!」と思わず専制君主となってしまうのですが…。
毎日続く子育て、そんな日があっても全然いいと思うのですが、このやり方を「正しい」としてしまうのは、親子関係の上でも、子どもたちがこれから作る人間関係の基礎としてもまずいと思います。
「ごめん、時間がないから、今はお話聴けないし、間に合わなくなるからTV消してでかけるけど、あとで話そう。とにかくお支度してくれる?」くらいのことが言えるように、私も精進したいところです。
それから、言葉でのやりとりには「想い」が必須です。言葉だけでずらずらと説明・主張しても子どもには念仏にしか聞こえません。時間がない時こそ、ココロをこめて、きっぱりと話すと子どもには本気度がちゃんと伝わります。
最終的に親の言い分を通す時(子の要望を却下することを決めている時)にも、あえて子どもに気持ちを話してもらうのはどうしてでしょう。
「言ってもどうせムダ」と子どもが自分の意見を言わなくなったらどうですか? ラクですか?
そこには対話の余地がありませんね。親からの一方通行のメッセージを注ぎ続けるのは、ココロが通うコミュニケーションではありません。
また、自分の意志や希望を伝える習慣は、筋肉のように鍛えて育てていく必要があると私は考えています。親や先生の正しい答えや言うことをきき続けた結果、自分の意見がわからない、やりたいこともみつからない、そんな人が増えていないでしょうか。
気持ちを話すのはムダじゃない。一か二か、二つの意見がある時に、お互いの意見をよく理解してみると新しい第三、第四の解決策があるかもしれない。今回意見が通らなくても、知っておいてもらえれば次回から、何かに配慮してもらえるかもしれない。
たくさんの意見を出し合って、クリエイティブな解決策を探すことは、これからの多様化時代にますます必要となるコミュニケーション能力です。
言ってもムダ、じゃないから言う。黙っている人の意見も聴いてみる。そんな力が育っていったらいいですね。
さあ、このコラムのおなじみコーナー、大人の私たちのことも振り返ってみましょう。
言ってもムダ、どうせ聴いてもらえない。私たちもこんな風に思って、言ってないことはないでしょうか。
私がカウンセラーとして相談を受ける中で、家族や同僚に対しての不満をきくことがよくあります。そんな時「あなたがそういう希望を持っていること、相手の人は知ってますか?」と尋ねます。
「言ってもムダだから」「前に言ったけど聴いてもらえなかった」などの答えにも
「どんな言い方でもムダでしょうか?」「相手の方は、その時どうして聞けなかったんでしょう」など深く考えることをお手伝いすると、
「こうしてみます」という新たな方法をみつけられたりするものです。
コミュニケーションにムダはない。と私は思います。
大切な人と理解しあい、つながりを持つために、ココロの声を聴き、伝えていきましょう!
ココロの声を聴く、聴き方。
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ブライト・コミュニケーションの実践をブログにも書いています。
連れ子2人と夫とのドタバタ再婚生活や日々のごはんなどもつづっています。のぞいてみてくださいね!
ブログ
http://ameblo.jp/lychee-tangerine/
成長を続ける女性のためのコミュニティ【こぶたラボ】では
子連れで参加できる企画をいろいろ開催しています。
合言葉は、人生をおいしく・楽しく・美しく♪
高橋 ライチ 【コミュニケーション・カウンセラー】
記事テーマ
子どもたちには、幸せになって欲しい!ママたちの共通の願いですね。豊かなココロを育て、人とつながる「コミュニケーション力」を育み、社会へ送り出しましょう。ブライト・コミュニケーションを実践していくと、ママの人間関係もぐっとラクに楽しくなりますよ。