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子どものケンカ、どう関わればいいの?【その2】/2012年7月

ケンカを裁く代わりにできる、6つのステップ

前回の続きです! 子どもどうしのケンカを「人間関係を学ぶ機会」「ココロを育てる機会」ととらえて、有効な関わり方をしてみましょう、というお話でしたね。

大人が権力を持って裁くのではなく、代わりにできる6つのステップをご紹介しました。

1、 気持ちを聴く
2、 状況を整理する
3、 状況と気持ちをあわせて、何が起こってどう感じたかをつなげる
4、 その時どうしたかったか、どうすればよかったと思うかを聴く
5、 相手の気持ちを想像する
6、 今どうしたいか、新しい行動を聴く
 
ステップ1~3まで、前回解説しました。
今回は、後半4~6について詳しくみてみましょう。
本当はどうしたかったの?どうすればよかったかな

ステップ4は「別の選択肢」や「理想の状態」を考える段階です。

何が起こったか、それについてどう感じたかを整理したあとで、「本当はどうしたかったのかな」と問いかけます。頭で考えさせる、のではなく本人の心の内側にあるものに光をあてて一緒に探し物をするような感覚で聴いてみてください。

「本当は楽しく遊びたかったんだね。順番だったらよかったんだね。そうか、順番にしようよ、って言えたらよかったのかなあ」
大切な探し物を、一緒に丁寧に探すお手伝いです。見つけたときに子どもの顔が輝く瞬間が見られると、それはそれは胸がきゅんとしますよ。人が自分自身の答えを見つけたときの表情は、子どもも大人もとても美しくて、私が講座や個人カウンセリングを続ける大きな原動力になっています。
この感動は、カウンセラーだけのものにしておくにはもったいなさすぎます。これを読んでいるママたちにも、ぜひお子さんやパートナーの「本当はどうしたかったのか」を見つけたときの瞬間に立ち会う感動を体験していただきたいです!
相手はどうだったんだろう?

ステップ4で本人の希望がみえたら、相手の気持ちを想像することに移ります。

「相手の気持ちも考えて」とよく言ってしまいますが、自分の気持ちが整理できる前に相手のことを考えてしまうと、無理が生じます。
必ず、自分自身の気持ちをしっかり整理してから、相手の状況や気持ちに思いを巡らせてください。(むしろ大人がやりがちなことかもしれませんね。)
 
子どもの場合、ママにわかってもらえたことだけでも、かなり落ち着いてきます。その上、自分がどうしたいかもみえていたら、かなりストレス値が下がり、相手のことを考える余裕が出てくるんですね。
「あなたは楽しく遊びたかったんだね、おもちゃは順番に使えるといいと思ってるんだよね。じゃあAちゃんは、どうしておもちゃを貸してって言った時に『やだ』って言ったのかなあ」
どんな答えが返ってくるでしょうか。
 
 
尋ねる時には、正しい答えを予測しないのがコツです。何が出てくるのか楽しみに待つような気持ちで待ってみてくださいね。出てきたら、どんな答えでも、同じことを繰り返します。
「そうか、Aくんはこうだったかなって思うんだね」
繰り返しを聞くと、受け止められた、という感じを持ちやすくなります。
繰り返しをせずに「ママはこう思うよ」など別の意見を言うと、反論されたように感じることもあります。
繰り返してから、「もしかして、こうかも?」「こうなんてこともあるかな?」と複数の可能性を想像させるのも、共感や思いやりのトレーニングになります。
今、どうしたい?

何が起こったのかが整理されて、ママにもわかってもらえて、自分がどうだったらよかったのかもわかって、さらに相手の気持ちや事情を想像したあと。あらためて、尋ねてみます。

「今、何かしたいことある?」
「Aくんにお手紙書くとしたらなんて書く?」
「今度、Aくんに会ったら一緒にしたいことある?」
これは一例です。つまり、この出来事をとらえなおした今、新しい行動を選べるよ、ということを考える機会を作るのです。
もちろん答えはなんでもOK。「そうか、そうしたいんだね」と返してあげて、できることは協力してあげられるといいですね。
「ママとごろんとしたい」「お手紙で『また遊ぼうね、今度は順番ね』って書く」「くじらの絵を描きたい」・・・
なんでもいいのです。プロセスの最後には、新しい行動があるのです。気分転換でも関係改善でも、次回にリセットでもいろんな選択肢があります。それを知っているだけで、ただただへこむ、トラブルにやられて立ち直れない、ということはなくなるのではないでしょうか。
子どもたちは学びが早い!

ブライト・リスニング講座は、お話の聴き方を学ぶ講座なのですが、これを学んでいる受講生の方の、お子さんのエピソードが印象的でした。受講しているのは大人で、そのお子さんは3歳。講座に同席はしていません。でも、ある時、3歳にして自然とこの対処法をしたそうなんです。

 
「お友だちとケンカをした時、娘は泣きながらこう言いました。
『○ちゃんが私のおもちゃを取ったから悲しい気持ちなの。
ママがぎゅ〜(抱きしめてくれる事)をしてくれたら嬉しいな・・・』。
私が周囲の子を見ていて多いなと感じる一般的な訴え方は
『○ちゃんが私のおもちゃを取ったの〜!』とだけ泣きながら言うことです。
娘ができることは自分の感情に気づくこと、そして伝えること、その気持ちを満たすためにして欲しいことを考えリクエストすること。これは、大人も身につけたいコミュニケーションスキルだと思います。」
 
私もこのメールをもらって、本当に、私自身もなかなかできていないことかも?と思いました。私たち大人の働きかけ次第で、学びの早い子どもたちは、どんどん豊かな人間関係を築いていけるんだ!という励みと、責任とを同時に感じたエピソードでした。
 
 
さあ、私たちもよりよいコミュニケーションにチャレンジしながら、子どもたちと一緒に成長していきましょう。

Information/お知らせ

ココロの声を聴く、聴き方。

ブライト・リスニングの体験会を行っています。
寄り添って大切に聴くことをあらためて学んでみませんか?
詳しくはHPからどうぞ!こちら★★★
 
 
ブライト・コミュニケーションの実践をブログにも書いています。
連れ子2人と夫とのドタバタ再婚生活や日々のごはんなどもつづっています。のぞいてみてくださいね!
ブログはこちら★★☆
 
 
成長を続ける女性のためのコミュニティ【こぶたラボ】では
子連れで参加できる企画をいろいろ開催しています。
合言葉は、人生をおいしく・楽しく・美しく♪
こちら ☆☆☆

Mama's profile/プロフィール

高橋 ライチ

高橋 ライチ 【コミュニケーション・カウンセラー】

記事テーマ

「ココロを育てる 聴き方・伝え方♪」

子どもたちには、幸せになって欲しい!ママたちの共通の願いですね。豊かなココロを育て、人とつながる「コミュニケーション力」を育み、社会へ送り出しましょう。ブライト・コミュニケーションを実践していくと、ママの人間関係もぐっとラクに楽しくなりますよ。

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