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ママ友とのコミュニケーション/2012年6月

ママ同士も気が合うとは限らない

子どもが生まれると、子どもにまつわる人間関係が生まれます。公園で、児童館で、保育園・幼稚園で…と、子連れママ同士のコミュニケーションが必要になってきます。

これまでは自分の気の合う人と仲良くすればよかったのが、話題に困ったり、意見がかなり違う人との付き合い方に戸惑うこともあるのではないでしょうか。子どもたちが仲良しでも、ママ同士も気が合うとは限らないですからね。
今回は、無理せずにラクに、ママ友とコミュニケーションするヒントをお伝えします。
話題に困る時

「何ヵ月(何歳)ですか?」に始まって、ひととおりの情報交換が終わったあと、「次は何を話せばいいの~?」となってしまったら。話題を無理に探さずに、「聞き役」になることをおすすめします。

訊かれたことには、いったん答えて、その後「あなたは?」と尋ね返すのです。あとは聞き役に。相手の話にしっかり耳を傾け、相槌をうちながらさえぎらずに聴きます。気になるポイントがあれば、文章で返さず、シンプルにオウム返しで単語を返すくらいで、ひたすら聴きます。「自分も話そう、会話しなくちゃ」と思って聞いているより、「聞こう」と思って聞いているほうが、話すほうはとても話しやすいのです。聞く側も、次は何を話すか考えなくてよいので相手の話す内容がすんなり理解できて、とてもラクです。

 

聴くことを学ぶ、コミュニケーションの講座「ブライト・リスニング講座」では、最初に「黙って聞く」実習をやります。すると、「話が予想もしてなかったほうへ進んで面白かった」という感想が出ることがよくあります。普段の会話では、誰かが遮ってしまって、その人の本当に話したい内容までたどり着けていないのかもしれませんね。「聞き役になるぞ」作戦、試してみてください。
意見が違う時

おやつや食事に関すること、しつけや子ども同士の喧嘩、習い事など、家庭によって価値観が違うことはたくさんあります。そこでどんな風にコミュニケーションをとっていますか?

自分とは違う意見が多数派の時、適当に合わせながらも心の中は違和感でいっぱいになってしまったり、勇気を出して自分の意見を言ったら引かれてしまったり。隠したり、まして嘘をつくのもしんどいし、かといって正直になるのも怖い気がするかもしれません。

 

こんな時、「無理に合わせない」と決めてしまうとラクになります。日本の文化的にか女子の文化的にか、「同じが安心」な空気というのがありますが、それは調和を大切にする気持ちからなんですよね。だとしたら、「違っていても、仲良くしたい!」という表現をすることで、気まずくならずにいることができます。相手の話を聞き、それに共感しながら、自分の立場を話す。そして、一緒にいたいということを伝えるのです。

「そうか、Aちゃんちは虫歯に気を使ってるんだね。うちはお兄ちゃんもいるから、もうチョコレートあげちゃってるんだ。でもAちゃんが食べたくなっちゃうだろうから一緒に遊ぶときにはチョコはやめとくね」というふうに相手を尊重したり、配慮を見せれば、違いがあっても反発する必要がないですね。

逆の場合でも「あ、BちゃんちはもうチョコOKなんだね。うちは私も歯が弱かったし、この子歯磨き大嫌いだからなるべくあげないようにしてるの。Aには見せないようにしててくれると助かるな!ごめんね」という感じです。
意見が違うことと、もし具体的なお願いがあれば、あえてしてみると相手はその場ですぐに対応しやすいです。リクエストがはっきりしていると、その1点だけを考えればいいので気まずくなりにくいのです。
相手への配慮と共感

相手への配慮がないまま意見の違いを表明すると、離れていくか、反発するか、ということになりかねません。特に大事に思っている事柄については、違う意見なだけで「否定された」ととられてしまうこともあります。また、母本人も揺らいでいることだと逆に意地になって主張したくなるということも。現代の育児は迷いも多いので、母自身がストレスの中にいるほど人間関係はちょっとしたことでこじれやすいんですね。

 

あれ?なんか悪いこと言ったかな?とこちらが感じるような反応が返ってきた時も、「そうか、それを大事に思ってるんだね」「そのこと、気になっているのね」とただ受け止めるだけでいいのです。
「なんか気にしようと思うといろいろあってストレス多いよね~。お互い大変だよね。子ども大事だもんね」と、価値観の違いでなく、育児環境のハードさや子どもの健やかさへの願いに共感を持っていれば、親しみを失わずにいられます。
もっと仲良くなりたい時

では、もっと仲良くなりたい時には、どうしたらよいでしょう?

私は長年これができずに、父母会やPTAという場所がとても苦手でした。(今も緊張します…。)

仲良くなりたい時には、「自分から心を開く」こと。心を開くとは、なるべく、飾らずありのままの自分でいることと、それを表現すること、自分から近づいていくことなんですね。ついつい失敗しないように、とか、いいお母さんでいなくちゃとか、嫌われないようにという緊張があると、距離ができてよそよそしい感じになってしまいます。
 
 
具体的な方法をひとつお伝えすると、「正直に、率直に、明るい『感情』を口に出す」というのがあります。
「これ、かわい~!!」「美味しいね!」「わあ、桜がキレイ」「風が気持ちいいね」「今のBくん、オモシロかったね」など、感情が動いたことを気軽にぽんぽん言葉にしてみましょう。ただし、お世辞や社交辞令でなく、本心から思ったことだけにするのがポイントです。
人は、お互いに影響しあっているので、誰かが感情豊かにいると、周りも感受性を使って話しはじめます。喜びや楽しさをわかちあうと、それが増幅しあってより明るい場ができあがります。感情を共有すると、そこに連帯感が生まれます。好みがわかると、同じ好みの人が話しかけてくれたりします。
またちょっとカッコ悪いことや苦手なこと、失敗談などを打ち明けるのもいいですね。ただしこれは愚痴や大変自慢にならないように!
 
子どもたちもこれから人間関係を学んでいく

子どもの育ちには子ども同士の切磋琢磨が必要です。小さいうちは親や保育士の介入がありますが、小学生中学生になっていくにつれ、大人と同じような人間関係の悩みに突入していきます。そのたびに試行錯誤をしながら、大人になっていきます。

私たち大人が、完璧な人付き合いをマスターしていないのですから、子どもたちはもっと不器用に傷つきながら立ち直りながら人とのつきあいを学んでいきます。子どもが悩んでいる時に少しでも工夫を伝えらえたら。自分がみつけた人間関係のスタンスやポリシ―を伝えられたら。自分の試行錯誤のプロセスを伝えられたら。

 

今も、ママだって、こうやって失敗もしながら、それでも人とつながりを作ろうとしているよ。そんな風に先輩として真剣に、だけど無理せず人間関係に取り組んでいたいなあと思います。
 

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Mama's profile/プロフィール

高橋 ライチ

高橋 ライチ 【コミュニケーション・カウンセラー】

記事テーマ

「ココロを育てる 聴き方・伝え方♪」

子どもたちには、幸せになって欲しい!ママたちの共通の願いですね。豊かなココロを育て、人とつながる「コミュニケーション力」を育み、社会へ送り出しましょう。ブライト・コミュニケーションを実践していくと、ママの人間関係もぐっとラクに楽しくなりますよ。

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