子どもが生まれると、子どもにまつわる人間関係が生まれます。公園で、児童館で、保育園・幼稚園で…と、子連れママ同士のコミュニケーションが必要になってきます。
「何ヵ月(何歳)ですか?」に始まって、ひととおりの情報交換が終わったあと、「次は何を話せばいいの~?」となってしまったら。話題を無理に探さずに、「聞き役」になることをおすすめします。
訊かれたことには、いったん答えて、その後「あなたは?」と尋ね返すのです。あとは聞き役に。相手の話にしっかり耳を傾け、相槌をうちながらさえぎらずに聴きます。気になるポイントがあれば、文章で返さず、シンプルにオウム返しで単語を返すくらいで、ひたすら聴きます。「自分も話そう、会話しなくちゃ」と思って聞いているより、「聞こう」と思って聞いているほうが、話すほうはとても話しやすいのです。聞く側も、次は何を話すか考えなくてよいので相手の話す内容がすんなり理解できて、とてもラクです。
おやつや食事に関すること、しつけや子ども同士の喧嘩、習い事など、家庭によって価値観が違うことはたくさんあります。そこでどんな風にコミュニケーションをとっていますか?
自分とは違う意見が多数派の時、適当に合わせながらも心の中は違和感でいっぱいになってしまったり、勇気を出して自分の意見を言ったら引かれてしまったり。隠したり、まして嘘をつくのもしんどいし、かといって正直になるのも怖い気がするかもしれません。
こんな時、「無理に合わせない」と決めてしまうとラクになります。日本の文化的にか女子の文化的にか、「同じが安心」な空気というのがありますが、それは調和を大切にする気持ちからなんですよね。だとしたら、「違っていても、仲良くしたい!」という表現をすることで、気まずくならずにいることができます。相手の話を聞き、それに共感しながら、自分の立場を話す。そして、一緒にいたいということを伝えるのです。
「そうか、Aちゃんちは虫歯に気を使ってるんだね。うちはお兄ちゃんもいるから、もうチョコレートあげちゃってるんだ。でもAちゃんが食べたくなっちゃうだろうから一緒に遊ぶときにはチョコはやめとくね」というふうに相手を尊重したり、配慮を見せれば、違いがあっても反発する必要がないですね。
相手への配慮がないまま意見の違いを表明すると、離れていくか、反発するか、ということになりかねません。特に大事に思っている事柄については、違う意見なだけで「否定された」ととられてしまうこともあります。また、母本人も揺らいでいることだと逆に意地になって主張したくなるということも。現代の育児は迷いも多いので、母自身がストレスの中にいるほど人間関係はちょっとしたことでこじれやすいんですね。
では、もっと仲良くなりたい時には、どうしたらよいでしょう?
私は長年これができずに、父母会やPTAという場所がとても苦手でした。(今も緊張します…。)
子どもの育ちには子ども同士の切磋琢磨が必要です。小さいうちは親や保育士の介入がありますが、小学生中学生になっていくにつれ、大人と同じような人間関係の悩みに突入していきます。そのたびに試行錯誤をしながら、大人になっていきます。
私たち大人が、完璧な人付き合いをマスターしていないのですから、子どもたちはもっと不器用に傷つきながら立ち直りながら人とのつきあいを学んでいきます。子どもが悩んでいる時に少しでも工夫を伝えらえたら。自分がみつけた人間関係のスタンスやポリシ―を伝えられたら。自分の試行錯誤のプロセスを伝えられたら。
高橋 ライチ 【コミュニケーション・カウンセラー】
記事テーマ
子どもたちには、幸せになって欲しい!ママたちの共通の願いですね。豊かなココロを育て、人とつながる「コミュニケーション力」を育み、社会へ送り出しましょう。ブライト・コミュニケーションを実践していくと、ママの人間関係もぐっとラクに楽しくなりますよ。