引き続き「子どもを褒めるコツ」の第二弾です。
前回のお話は、褒める時にはココロと言葉を一致させて、喜びの表現として褒めましょう、とお伝えしました。
今回は、さらにその上で、気を付けておきたい「落とし穴」について解説していきます。
褒められて嬉しい子どもは、次も頑張ろう、と思います。自分ってできるんだ、すごいんだ、と思います。「褒めて伸ばせ」と言われているのはこの、「頑張るやる気・モチベーション」と「自己肯定感を育てる」という二つのことが目的なんでしょうね。
でも、ちょっと待って。
「褒められるからやる」「褒められないと(見られていないと)やらない」になっていないでしょうか。それぞれの行動の、本当の目的が褒められることにすり替わっていないでしょうか。それは「褒める子育て」の落とし穴です。
生活の自立に関すること、道徳に関すること、運動や勉強などの成果に関すること・・・褒める機会はたくさんありますが、その本質も一緒に伝わるようにしたいものです。
では、実際のシーンでみてみましょう。トイレがひとりでできるようになった。「すごい!ひとりでできたね!汚さなかったね!もうおねえさん(おにいさん)だね!ママやパパとおんなじだ~」こんな風に褒めたら、子どもの心に残るのはなんでしょう。言葉をかける大人の心にあるのはなんでしょう。
まっすぐに伝わっていれば自分はもう大きくなったんだ、と誇りに思うことでしょう。ママが成長を喜んで応援してくれていることも感じ取るでしょう。どんな自分でありたいか、という理想像に自分がなっていくのです。わくわくしますね。次のトイレも失敗せずに頑張ろう、と思うことでしょう。
こんな風に、「褒めた」という行動だけでなく、その効果として何が伝わって、どんな変化がおきているのかを見ていることはとても大切です。コミュニケーションは「何を言ったか」ではなく、「何が伝わったか」なんですね。
「ねえ、偉い?偉い?」と子どもがしつこく訊いてくることがあります。「ねえ、みてて、みてて」と一部始終を見て欲しい。いちいちつきあうのが面倒くさく感じますが、まだ褒め続ける必要があります。無理に大げさな褒め方をしなくてよいので、「目的」のほうも気長に伝え続けてみましょう。
「そうだね、偉いね、すごいね、あなたは、なんでも自分でできるようになるために今練習してるんだよね。そうやって大人になるんだよ。あなたは、優しい人になっているね、そうやって人と仲良くしていくんだよ。誰かの役に立ったり、支えあっていくんだよ。運動会で1番になったの嬉しいね、頑張ったら1番になったね、そうやって、目標に向かって頑張る力をつけていくんだよ。・・・・」
すべてのことは、その子が幸せな大人として自立していくためにやっていると思いませんか。目の前の課題が、幸せな未来へつながっていることを大人が見失わないようにしたいものです。そうしたら目先の失敗も長い目で応援できます。子どもにも「きっとできるようになるよ」という信頼を手渡したいですね。
そこが伝わった時、子どもは「今、ママに褒められたいからやる」を卒業できるのだと思います。
さて、もうひとつの落とし穴。偉いかどうかを決めるのは誰?ということです。ママに褒めてもらわないと意味がない、先生に認めてもらえないと意味がない、そんな風に自分の外の権威が「絶対」だと思わせてしまってないでしょうか。
あくまでも、価値観や道徳心などは自分の内側に培うもの。もう少し大きくなってきたときに本人の中の誇り、モラルは育っているか立ち止まってみてください。誰かの目ではなく自分自身に恥じないために、自分自身の達成感や誇りのために行動できることが大切です。この土台が揺らいでいると大変なのです。立派な権威者に認めてもらわないと自信が持てない、振り回される、否定されると絶望する、ということになりかねません。
受験、学校生活、部活、趣味の世界、友人関係、就職、仕事、新たな家庭を作る…どこであっても、自分の外からの評価に振り回されるのはとても苦しいことです。目標に向かって頑張るその道すじのすぐ近くにある落とし穴は、「誰かの評価を絶対だと思い込んでしまう」ことなのです。
子育てはすべて自分のあり方につながっているなあとよく思います。私もいまだに褒めて欲しい私を発見します。偉い人に認めて欲しいとも思います。でも、それは私自身の権威を超えることはないよね?と時々自分で確認しなおすのです。小さな頃は、親からの褒め言葉がなにより嬉しかったけれど、今は「自分自身が納得して誇りを持てることにこそ、価値がある」と思い出すのです。
子どもが誰かの評価を気にしすぎているような時、こちらまで一緒になって目先の評価を切望したら、親子ともに苦しいですね。「誰が気づいてくれなくても、あなたはちゃんとわかっているはずだよ。自分に胸を張れるかな?」と訊いてあげられるような母親でいたいと私は考えています。もちろん、「少なくとも、私は見ているし、応援しているよ」とささやかな応援もしてあげたいですね。
大人も自分の内側を何度も見直して育て直しながら、子どもとともに成長していきたいですね。
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高橋 ライチ 【コミュニケーション・カウンセラー】
記事テーマ
子どもたちには、幸せになって欲しい!ママたちの共通の願いですね。豊かなココロを育て、人とつながる「コミュニケーション力」を育み、社会へ送り出しましょう。ブライト・コミュニケーションを実践していくと、ママの人間関係もぐっとラクに楽しくなりますよ。