あたたかい日差しの中で日に日に緑濃くなっていく植物たち。
その中でもひときわ元気に青々と茂っている我が家のローズマリー。このローズマリー、精油としてもハーブとしてもとても重宝する植物なのです。「海のしずく」という語源を持つハーブですが、お花の形もどことなく涙の形をして見えます。
今回はこのローズマリーにスポットをあててみたいと思います。
ハンガリーのエリザベス女王が修道尼のマリアクレメンティネから献上されたという「ハンガリーウォーター」。
エリザベス女王は、このハンガリーウォーターを使い、患っていたリウマチを克服し、心身ともにみるみるうちに若く綺麗になっていき、30歳も年下の隣国の王から求婚されたという逸話も残っています。
この若返りの水といわれるハンガリーウォーターは数種のハーブをアルコールに漬け込んだものなのですが、この中に入っているメインのハーブがローズマリーなのです。
(ハンガリーウォーター作成中)
ローズマリーのハーブは抗酸化力が高いので、お肉などの食品を保存する時などにも用いたりもしますね。まだ涼しい日もありますが、そろそろ湿度も高くなってくるこの頃、食品の傷みも気になります。ローズマリーと一緒に保存しておくと安心です。腐敗を防ぐ、つまり酸化を防ぐ『抗酸化ハーブ』の代表のローズマリー。
日本では昔マンネンロウ(万年郎)と呼ばれていましたが、マンネンロウとは、”永遠の青年“という意味を持つそうです。やはり『永遠の若さ』がテーマの植物ですね。
ローズマリーはお料理に使う以外にハーブティーとしてもおいしくいただけます。気分をリフレッシュし集中力を高めてくれるお茶です。
脳の働きを活性化させる成分を含んでいるので、寝覚めの悪い朝や、なかなかやる気の出ない時、集中が必要な時にローズマリーティーを入れてみて下さい。
また、並はずれた抗酸化作用(老化防止作用)を持つロスマリン酸を含んでいることが最大の特徴であるローズマリーはエイジングケアにも使えますし、記憶力アップ、集中力アップ、脱アルツハイマーなどにも有用です。
ローズマリーのメディカルハーブで脳の老化を防ぎたいものですね。
ローズマリーにはケモタイプとして数種のローズマリーがあります。
写真に写っているのは
●ローズマリーシネオール
●ローズマリーベルベノン
●ローズマリーカンファー
この中で最もポピュラーで使いやすいのはローズマリーシネオールです。すっきりとした樟脳の香りで去痰作用、抗感染作用が期待できますので、風邪やインフルエンザのはやる時期には重宝する精油です。
また、鼻づまり時の粘液を溶かし出してくれるので花粉症の時期にもおすすめの精油です。
ローズマリー精油には、ケトン類といって神経毒性を持つ成分が含まれているのですが、このローズマリーシネオールは、ローズマリーの中でもケトン類の含有量が低いですので、最も使いやすい精油かと思います。
※ローズマリー精油は、書籍によっては、高血圧の方に禁忌となっています。
精油のローズマリーもすーっと染み渡るようなくっきりとしたよい香りがし、とても人気のある精油のひとつですが、もしローズマリーを育てていらっしゃるようでしたら、ぜひフレッシュなローズマリーをまとめてお風呂に浮かべてみてください。
ローズマリーは生育旺盛ですので、たくさん剪定しても、新たに脇芽を伸ばしどんどん大きくなりますし、剪定することで株も元気になります。
ホームセンターや園芸店でポット苗をお買い求めになっても、ぐんぐん育ちこれからの季節、あっという間にこんもり繁ってくれますよ。それに常緑ですので、冬の寒い時期、緑が少ない時にも切ってお部屋に飾れるので重宝します。
うまくいけば花瓶に指したローズマリーから根っこが出てくるので、それをまた土に埋めてあげると株も増えます。
生命力のある元気なハーブですので、とても育てやすく手間いらず。優秀なハーブのローズマリー、おうちにおひとつあると便利ですよ。
山下 美紀 【Kahua~relaxing on earth~主宰】
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香りがあると心に余裕ができたり当たり前の日常がキラキラと特別なものになります。お気に入りの香りを部屋に芳香したり、お掃除や日々のセルフケアにアロマやハーブを用いたり。ほんの一滴が心の栄養になることってあるんですよ。植物の力で外側からも内側からも美しく健康でいられる、暮らしが楽しくなるそんな方法をお伝えします♪