子どもが生まれたとき、多くの親は愛情に満ち溢れ、成長ひとつひとつを喜び、穏やかな笑顔で子育てをしています。間違いなく子どもの将来の「幸せ」を望んでいます。
それが数年経つとどうでしょうか。子育てに「まじめ」な人ほど子どもが成長するにつれ、「過保護な」「大声で怒鳴る」「人を責める」子育て、しつけになっています。これは小中学校の先生の中にも同じような傾向があるそうです。
そのような親の子育て、しつけからの脱却ヒントとして「子育ての目標をしっかり持つこと」「言葉遣いや関わり方、考え方やイメージを変えること」にポイントがあります。
現代は特に便利で豊かな時代になり、その“副作用”として、子どもが「我慢すること」や「感謝すること」が少なくなってきました。また、核家族化もあり地域での人との関わりが少なくなり「地域で子育て」「家庭教育」ということも難しくなってきました。
そこであえて、挨拶、返事、履物をそろえる、姿勢を正す、食事のマナーを身につけるという「態度教育」に取り組むことが大切であると提唱しています。
また、子育てに大切なことは「愛される実感」、「ココロとカラダの栄養」と言っています。子育て、しつけには親の“愛情”が不可欠ですが、子ども自身が“愛されている”と実感できる関わりが大切です。
たとえば「挨拶」は相手に心と体を向け大人は膝をつくなどして視線を合わせ、しっかりと顔をみて言葉を先に礼を後にする「語先後礼」が良いということです。挨拶は人間関係、信頼関係の第一歩です。
「カラダの栄養」は食育です。お味噌などを中心とした和食、玄米食などを推奨しています。最近は特に食生活が貧弱で動くエネルギーがない子どもが目立ちます。母が子に手作りのお弁当をつくるだけで、子は親の愛情も感じます。食は健康、命の土台づくりです。
「“愛される子ども”とは周りの人から応援される子どものことです。子どもたちが幸せになるために親ができる“関わり方”を見つめ直してみてはいかがでしょうか。」
松井 直輝 先生
大阪生まれ。佛教大学社会学部を卒業後、学校法人泉新学園に勤務。97年、国際TA協会公認の交流分析士(教育)の資格を取得。99年には国際TA協会公認の准教授メンバー(教育)の資格を日本人で初めて取得する。2001年、学校法人泉新学園の学園長に就任。晴美台幼稚園(大阪府堺市)、城山台幼稚園、三石台幼稚園(和歌山県橋本市)以上3園の園長を兼任する。現在、教育システム研究所の所長ほか、大阪府松原市教育委員、子育てと教育支援のNPO法人エンジェルサポートアソシエーションの理事長など多岐にわたって活動中。
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