こども食堂のことならハッピー・ノート.com!

子ども食堂 しらしょう(日高郡由良町)

懐かしい小学校でみんなで食べるふるさとの味

日高郡由良町のこども食堂は、2023年3月に閉校となった小学校の跡地活用としてオープンした「和洋食堂 しらしょう」で実施されています。「しらしょう」という名前は閉校した「白崎小学校」から取られています。調理場や食事スペースは小学校時代の調理室とランチルームを改良して活用。通常はレストランとして営業しており、1〜2ヶ月に1回、日曜のランチタイムにこども食堂が実施されています。参加費用は大人500円、70歳以上100円、高校生以下が無料。開始時間の11時を待たずに廊下に行列ができるほどの盛況ぶりで、慣れ親しんだ場所で食べるふるさとの味が地域の大勢の人を惹きつけています。

和歌山県のこども食堂

子ども食堂しらしょうの特徴1

新鮮な海の幸や地元のふるさとの味を提供

この日のメニューは五穀豊穣を祝う新嘗祭(にいなめさい)をイメージ。うず高く盛られたきなこのおにぎりは、料理長の中さんが小さい頃によく食べたものだそう。「食べ物を無駄にせず、感謝の気持ちを持って食べてほしい。」そんな願いが込められています。
さすがは海沿いの町。地元企業の協賛で新鮮な海の幸がどっさり振る舞われることも。新鮮なブリやオーガニックハマチはここでしか味わえないごちそう。
この日のお土産は日高振興局提供の「缶詰パン」とポケモンこども食堂応援隊提供の「ペーパークリスマスツリー」。様々な団体がこども食堂の活動を見守り、サポートしています。

子ども食堂しらしょうの特徴2

小学校跡地を活用。幅広い世代の交流の場

2023年3月まで小学校だった場所。ついこの前まで通学していた小学生、卒業生やその両親や祖父母たち。愛着のある懐かしい場所だからこそ、世代を超えた人々が気軽に集まることができます。
こども食堂の実施日は体育館も開放されています。卓球やバスケットボール、ドッジボールなど、思い思いのスポーツを楽しんでいます。
食事の後は、学校に残って楽しくおしゃべりするパパやママの姿もたくさん。こども食堂は子育てファミリーの交流の場にもなっています。

子ども食堂しらしょうの特徴3

DMO法人がサポート。地域おこしの拠点としての顔も

通常はレストラン「和洋食堂しらしょう」として営業。栄養満点のあかもく丼やお刺身定食など、地元の食材を活かしたメニューが勢揃い。「通常の営業メニューに負けないくらいの気持ちでこども食堂でもおいしさを追求しています」とスタッフのみなさん。

食堂以外にも地域の海産物・農産物の直売やレンタルバイクの貸し出しなど、DMO法人「紀州の環」が小学校跡地で様々な事業を運営。観光と地域への貢献を両立させることで、人々の賑わいを生み出しています。

子ども食堂 しらしょうを支える人たちにお話を聞きました

「和洋食堂しらしょう」代表中 初美さん

「地域に住むお年寄りと子どもたちの架け橋になりたい」という思いでこども食堂をやらせてもらっています。メニューは地元の食材を使い、郷土の豊かな味を再現できるよう努めています。みなさんの笑顔が何よりのやりがい。次はどんなメニューにしようかと考えるのが楽しみになります。食堂のスタッフや紀州の環の高橋さん、地域の農業や漁業関係者の方々。みなさんのサポートにも感謝しています。「しらしょう」がコミュニティの中心となり、いろんな人をつなげる場所になれるよう、これからもがんばりたいです。

一般社団法人 紀州の環 事務局長高橋 正信さん

「紀州の環」は観光庁登録のDMO法人として由良町の産業の発展、観光の魅力づくりに取り組む団体です。観光で人を呼び込むには、地域のみなさんの理解と協力が必要です。そして地元への還元をしっかり行うことが大切です。そんな思いからこども食堂がスタートしました。愛着のある校舎に地域のみなさんが集まり、交流する姿を見ると、とても励みになります。こども食堂の輪がさらに広がり、地域の賑わいが生まれるよう、これからもサポートを続けたいと思います。

食事を終えた子どもたちは一目散に運動場へ。賑やかな声がこども食堂まで響きます。親や祖父母たちは食事の感想を述べたり、近況報告をしたり。思い思いの過ごし方で楽しい時間を過ごしています。「次のメニューは何だろう」。みなさん期待に胸を膨らませて帰路に着くのでした。