文/Happy-Note For マタニティ 出産準備家電 家電ジャーナリスト 近藤克己
(更新日:2019.05.20)
前回は、赤ちゃんを迎えるために、お部屋の空気の質を改善する家電を紹介しました。今回は、赤ちゃんがもっとも長い時間触れている寝具について考えていきます。
天気の良い日、いまだに多くの人が布団を外に干しています。何のためでしょうか。布団にこもった湿気を飛ばす、というのであれば効果はあります。しかし、ダニを除去するのが目的というのであれば、ほとんど効果はありません。というのも、布団表面が陽光にさらされて高温になっても、ダニは涼しい裏側に逃げてしまうからです。干した後に布団を叩くことも、あまり意味がありません。ダニの死がいや糞を多少は取り除くことができますが、ダニそのものは爪でしっかり繊維にしがみついているので、叩き落すことができないのです。むしろ、布団を外に干すことで花粉や自動車の排気ガスなどのPM2.5が布団に付着し、かえって汚れてしまう可能性もあります。
ダニは60℃の熱ですぐに死滅し、50℃ならば20〜30分で死滅します。なので、最も有効なのが布団乾燥機です。一昔前の布団乾燥機は乾燥マットを広げる手間があり、それが面倒で結局使わなくなってしまったという人も多いと思います。最近ではマットレスのモデルが増え、さらに小型化したことで、ベッドの横にいつも置きっぱなしにし、気が付いた時にいつでも乾燥機をかけることができるようになりました。特に、これからの季節、空気中の湿気と赤ちゃんの汗で寝具にカビが生えやすくなるので、頻繁に乾燥機を使うことをおススメします。
立体ノズルと2本のホースが特徴です。立体ノズルによって布団を持ち上げて隙間を作り、温風を布団のすみずみまで行き渡らせます。さらに、ホースが2本になったことで、1組の布団の場合は胸元から足元まで広範囲に素早く温風を届けて乾燥時間を早めることができます。
また、1本ずつ使って2組の布団を同時に乾燥することもできます。赤ちゃんの布団のダニを死滅させても、隣り合ったお母さんの布団にダニがいれば、またすぐに移ってしまいます。母子の布団を同時に乾燥できるのは便利です。長めのホースで、高さのあるベビーベッドにも最適です。(アイリス・オーヤマ「カラリエ KFK-W1」)
きのこの傘の形状をお手本としたアタッチメントが布団を持ちあげて隙間を作り、傘の小さなきのこで風を強めて遠くまで飛ばします。これにより、マットなしでも布団の隅々まで温風が行き渡ります。
シャープといえばプラズマクラスターイオン。布団乾燥機にもプラズマクラスター7000を搭載しているので、寝汗やおねしょ、カビのにおいもしっかり消臭してくれます。さらに、ダニの糞や死がいのアレル物質の作用も抑制します。プラズマクラスターによる空気浄化・消臭モードも搭載しています。(シャープ「UD-BF1」)
布団乾燥機の高温でダニを死滅させただけでは不十分です。ダニは生きているうちはその糞がアレルゲンになりますが、死がいもアレルゲンとなるので、布団乾燥機で死滅させた後には必ず掃除機をかける必要があるのです。ここで注意したいのが、掃除機の排気です。ダニの死がいは掃除機で吸い込まれたのちに、掃除機の中で粉砕されて微細なチリになります。せっかく布団からダニの死がいを取り除いても掃除機の排気でまた部屋中にばら撒かれたら意味がありません。吸引力はもちろん、排気のクリーンさが掃除機選びには重要なポイントなのです。
15個のサイクロンが空気と微細なゴミを分離した後、ポストモーターフィルターによって0.3ミクロンの微粒子も99.97%以上捕らえます。密閉性が高く、一度吸った空気はフィルター以外からは一切外に出しません。つまり、吸ったお部屋の空気からホコリを取り除くので、お部屋の空気よりキレイになって排出されるのです。
付属のミニモーターヘッドは、パワフルな回転と硬いナイロンブラシで布団の繊維に入り込んだダニアレルゲンを強力に掻き取り、本体のV7モーターで強力に吸い込みます。このほか、羽布団や綿毛布に最適なフトンツールや隙間ノズル、コンビネーションノズルなどを付属し、ハンディクリーナーとしても利用できます。(ダイソン 「V7 Mattress」)
スティック、ハンディ、布団クリーナーの1台3役をこなすクリーナーです。排気フィルターの表面積を拡大したことで、1.0ミクロンの微粒子を99.99%除去できるようになりました。目詰まりがしにくいので吸引力も衰えません。
付属のふとんノズルはUVライトを搭載しており、ダニアレルゲンの除去率を高めます。このほか、2種類の異なる素材を使用して床面の拭き取り効果のあるブラシロールや、布用ノズル、ロングすき間ノズル延長ホースなどアクセサリーも豊富なので、この1台で家中をお掃除できます。(エレクトロラックス「エルゴラピード・パワープロ プラス」)
ダニは湿度が高いと活発になり繁殖力も旺盛になります。特に、温度25℃以上、湿度60%以上で爆発的に増殖します。逆に湿度が低いところでは生きていけません。また、人間のフケ、垢、皮膚片、カビを餌にします。なので、布団乾燥機の高温で生きているダニを死滅させるとともに、湿度を取り除いて繁殖できない環境を作り、さらに掃除機でダニの死がい・糞および餌を取り除くことが重要なのです。晴れた日を狙って天日干しするのでは不十分であることが分かりますよね。赤ちゃんの健康のためにも、こまめに布団乾燥機と掃除機を使いましょう。