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マグラックス細粒83％は腸内の水分を増やし便を軟らかくする効果のある薬です。パンピオチン散20％は弛緩性便秘に効能のある薬です。弛緩性便秘とは腸の動きが緩んで動かなくなり、便が腸の中をスムーズに動かず便秘になる状態です。これらの薬が医者から処方されているところをみると、お子さんの便の状態は固くウサギのようなコロコロとした便のようですね。

なので、便通があまりない滞っている状態の時に、これら薬剤で腸の動きを活発にして便の水分量を上げてお通じを促してやるのでしょう。また、マグラックス細粒83％はマグネシウムが主成分で、マグネシウムは豆腐のにがりなど幅広い食品に含まれる成分です。パンピオチン散20％もビタミンB群として食品成分表にも掲載されているパントシンがより効果的になった成分なので、お子さんにも安心して飲んでもらえる薬です。

薬剤師なので薬の話を先にしましたが、便通があっても腹痛を訴えることはあります。これは普段はあまり活発でない腸の動きがちょうど良いスムーズな動きにおさまらず急に活発になりすぎたときに起こる場合です。また固い便が腸の中で急に動きだすと不快感をおこす場合もあります。固い便でトイレでいきむ時間が3分以上かかるときには便を軟らかくし腸の動きを活発にする処方された薬を使うのも方法かもしれません。

またレントゲン撮影で腸の状態を見てもらっているとのことですね。特に問題がないとのお医者さんの話のようですので、小腸が途中で膨らんで飛び出してしまい結果的に便の状態を悪くしているヘルニアは考えにくいです。また肛門のすぐ上の直腸が膨らんで便が溜まってしまい排便されない状態でも無いようです。それにポリープなどの腸の壁が膨らんで便の動きを遮っている状態でもないみたいですね。

なので腸に異常があるとは考えにくいですが、腹痛に加えて嘔吐症状をきたすことが最近ではあるとのこと。これは腸が急に緊張して縮み狭窄し腹痛をおこし、胃腸の内容物が腸を下りてこないので口から吐きだしてしまうのかもしれません。この場合は、緊張がいつもは起こっていないことが多いので、レントゲンでは確認されにくい症状です。それと胃腸は神経も多く精神的な状態をものすごく敏感に反映する臓器なので、普段の生活の中で緊張する場面などに反射的に胃腸の動きを調節できず胃の内容物を吐きだしてしまうのかもしれません。

これから高学年になると責任ある活動も多くなるので、緊張するなと言えば言うほど緊張してしまい病状を悪化させかねません。今はこれらの症状を受け入れて、早退したり欠席したりは今はいたしかたないと思ったほうが良いです。その上で生活改善を試みられたらよいかと思います。

身長や体重からすると少しやせ型できゃしゃな体型のようで筋肉質ではないと思われます。仰向けから上体を上げるもしくは両足をそろえて上げる腹筋運動で腹筋を鍛えることと腰をひねって胃や腸に刺激を与える運動を出来れば食事の前に行うと良いです。運動することでおなかもすきますし、胃腸の動きを活発にしてから食事をして消化を助ける効果もあります。食事の前が効果的ですが、あまりタイミングにとらわれず運動のできるときにできる分だけすればよいです。

また体が冷えやすい体質もあるかもしれません。手足が冷えやすい体質ならば体を温かくしてやる必要があります。体が冷えたときに私が実践しているのはお風呂の湯船での手足のマッサージです。足の指を一本ずつ手で右回し左回し、足指をいっぱい広げる、足指の付け根を丸めたり反らせたり、足首を右回し左回し、最後は足裏マッサージです。

手も指のマッサージ、グーとパーを繰り返し、手首を回す、肘をマッサージです。手足の先から心臓に向かって動かすマッサージで血行がかなり良くなります。血行が良くなると全身の緊張もほぐれ胃腸の動きもスムーズになってきます。よく言われている「のの字マッサージ」も湯船でするとよいでしょう。

また、学校でトイレを我慢することがあるのかもしれません。それがおなかの調子をより狂わせている原因かもしれません。我慢しないよう便意をもよおしたらいつでもトイレに行くよう繰り返し言っておくことが大切でしょう。トイレを我慢すると固い便が直腸で溜まって直腸が膨らみいきんでも便が出ないもっとひどい便秘になります。そうなるとおなかが張るばかりで便が出ず、ものすごく不快な症状になります。

そればかりか膨らんだ直腸が膣や尿道を押して脱腸となりお通じはますますやっかいになります。トイレに入って用をたす時間、いきんでいる時間もなるべく短くするようにしないといきんで直腸を膨らませるばかりで良くない状態です。何事においても無理をしないようにゆったり構えるのが一番かと思います。

薬剤師：ねこにゃん
2012年1月16日