便秘・うんち・おしっこ 子どもの病気 子育て応援隊のズバリ!アドバイス
5ヶ月半になる女の子です。完全母乳で順調に育っていると思います。今までは1日1~2回の黄色いうんちだったのが、10日ほど前から、授乳のたびにするようになりました。色も緑色のことがほとんどです。
そろそろ離乳食を始めたいのですが、うんちの様子がこのままでも始めて構わないでしょうか?うんち以外に変わった様子はありません。
ポリオの予防接種も受けたいのですが、小児科で、「下痢の時には受けないで下さいと言われました」。これもうんちが落ち着くまで待った方が良いでしょうか?
2次性乳糖不耐症の疑い
母乳には2糖類の乳糖が含まれています。小腸にはその乳糖を単糖類(ブドウ糖とガラクトース)に分解して吸収するための酵素がありますが、5-6ヶ月以降は乳糖を分解する酵素が生理的に減少します。
これは、次第に栄養が離乳食中心に移行するため、母乳の量もそれに応じて減るためです。
しかし、しばらくは、母乳栄養が中心で、急には離乳食も進みません。
母乳を飲めば飲む程、乳糖吸収不全を起こして、浸透圧で消化液が引かれ、便が緩むことになり、消化不良のサインとして便が緑色になります。
この移行期の治療としては、乳糖分解酵素(商品名ガランターゼなど)があり、母乳を飲む前に服用して、小腸に乳糖分解酵素を補充することで、乳糖の分解吸収を促進するやり方が一般的です。
生理的なことなので、あまり気にせずに、離乳食を始めるタイミングがきていると考えて良いと思います。むしろ、少しずつ離乳食が増えることで、母乳依存度が低下して、2次性乳糖不耐症も改善してゆきます。
嘔吐下痢症のような病的下痢の場合は見合わせますが、生理的に便が緩いのですから、原則として、ポリオの予防接種を妨げるものではありません。ガランターゼと整腸剤を服用しながら、ポリオワクチンを飲むようにアレンジしてもらえれば良いと思います。
※単独の不活化ポリオワクチンは、2012年9月1日、4種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風・不活化ポリオワクチン)は、2012年11月1日に導入されました。
医師 小児科:横山 俊之
2008年4月 7日
小児科・アレルギー科・内科医。日本小児科学会専門医。多くの時間を過ごす家庭での保育・看護を詳しく説明。スローガンは「病名よりも病態の理解を!」、座右の銘は「鼻閉と便秘で風邪はこじれる」
Copyright © 2011 Mikihouse child & family research and marketing institute inc. All rights reserved.
この記事にコメントしよう