アレルギー 子どもの病気 子育て応援隊のズバリ!アドバイス
1週間前に食後3時間くらいに、大量に吐きました。次の日にも、また吐きました。その時、少し熱もあり、鼻も出ていたので、風邪だと思い放っておきました。そして今日、また食後2時間半後に大量に吐きました。
そこで考えてみると、パンを食べさせたからかもと思い、もしかしたら小麦のアレルギーかと思うのですが…。吐くだけで、他の症状はありません。すこし、鼻水がでるくらいです。じんましんなども出ていません。
体に合わなくて、吐く事ってあるのですか?一度、病院で検査したほうがいいのでしょうか?よろしくお願いします。
食事性アレルギーの成立機序は、
1)妊娠中にお母さんが摂取された食事の内でアレルゲンになりやすい成分が経胎盤性に伝達された場合
2)生後、授乳期間中にお母さんが接種された食事の内でアレルゲンになりやすい成分が赤ちゃんの胃腸から吸収される場合
3)離乳食開後に、離乳食の内でアレルゲンになりやすい成分が赤ちゃんの胃腸から吸収された場合、の3通りとなります。
1)2)では乳児期前半に湿疹や蕁麻疹の形で皮膚症状として出現してくることが多いですが、場合によっては、咳や喘鳴等の気道症状、あるいは、嘔吐下痢などの消化器症状としてあらわれることもあります。この場合、本能的に、該当のアレルゲンが含まれる食事を本人が嫌がることがあります。
3)は、特に、胃酸や胃液の分泌が弱く、消化能力の不十分な7-8ヶ月までに起こりやすい現象です。
アレルゲンの代表は卵と牛乳です。卵については、卵白成分にアレルゲン性が高く、特に、オボムコイドと呼ばれる成分は耐熱性で、熱を通してもアレルゲン性が低下しないために、注意を要するとされています。
したがって、食事については、生か、加温したものか、加熱したものか等の調理条件によっても、出現頻度は異なりますが、生後1年間が過ぎるまでは、極力加温・加熱した状態であげるのが賢明と思われます。
今回、問題となっている小麦もアレルゲンとなる可能性は同様にあり、特に、パンをたべる度に同じエピソードが認められるような場合は疑います。
今後、離乳食を進める上で、注意を要することですから、機会があればアレルゲンの検査はされて良いと思います。
医師 小児科:横山 俊之
2001年4月21日
小児科・アレルギー科・内科医。日本小児科学会専門医。多くの時間を過ごす家庭での保育・看護を詳しく説明。スローガンは「病名よりも病態の理解を!」、座右の銘は「鼻閉と便秘で風邪はこじれる」
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