感染症 子どもの病気 子育て応援隊のズバリ!アドバイス
近くの小学校で溶連菌感染症が流行っているようです。感染する経路や症状、また病院での治療法などを教えてください。
一般に溶連菌感染症と呼ばれるのは、溶連菌性咽頭炎です。おもに鼻汁やタンなどの飛沫感染で広がります。まれには溶連菌に汚染された食品による集団感染も見られます。
なお、溶連菌は膿か疹(とびひ)などの皮膚感染症の原因にもなりますが、この場合は接触感染で広がります。いずれも、小児特有の病気ではなく、成人でも見られます。
典型的な溶連菌性咽頭炎は、1~7日の潜伏期間の後、急激な咽頭(のど)の痛みや高熱で始まり、しばしば嘔吐も伴います。咽頭は真っ赤にはれ、扁桃腺が化膿し、頸部(くび)のリンパ節がはれて傷みます。
ときにはしょう紅熱の症状(小さな赤い発疹が、わきの下や太ももから始まり、全身をびっしりとおおいます。舌は苺のように赤くブツブツします。回復期に皮膚がむけます。)を伴います。
しかし、かぜと区別が難しい軽症例も少なくありません(とくに3歳未満)。発熱・のどのはれなどの症状がある間は、安静にしましょう。
治療は、通常、ペニシリン系の抗生剤を10日間服用します(ペニシリンアレルギーがある場合は、他の種類の抗生剤を用います)。重要なのは、症状が消えても、抗生剤を確実に10日間服用し、しっかり除菌することです。さらに、合併症のチェックのため、感染症発症の1~4週後に、尿検査を含めた診察を受けてください。
また、家族などの接触が濃厚な人は、疑わしい症状があれば(ただし、以前にリウマチ熱や急性糸球体腎炎をわずらったことのある人は、無症状でも)、細菌検査を受けて、同時に除菌することが大切です。
医師 内科:宮下 和也
内科医。内分泌代謝・アレルギー・感染症が専門。親子の健康を守るため親切・丁寧な診療を心がけている。インターネット医科大学教授(甲状腺科および感染症内科)を併任。
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