便秘・うんち・おしっこ 子どもの病気 子育て応援隊のズバリ!アドバイス
出生後からいきみを始め、強くいきんでしまいます。便も自力排便が少なくいきみが強いので紙こよりなどで、1日1回排便しています。いきみが強いため、臍ヘルニアになってしまっています。
医学書などでは、経過観察と書いてますが、ヘルニアが改善しない場合、どのような改善処置をとるのでしょうか。また、いきみの防止法などがあればお教えください。
発育は良好で、栄養はしっかり摂れているようですから、基本的には心配ないようです。
さて、乳児の腹壁は柔らかいので、排便時に息んでも、全ての力が肛門管内の便を押し出すように働くわけではなく、一部の力は柔らかい腹壁に吸収されています。臍ヘルニアが目立つのはそのためです。さらに、肛門括約筋の緊張が高まっているために、余計出難い状態となります。
一方、胃腸の消化吸収機能も、次第に向上し、母乳やミルクを無駄なく消化収するようになるため、便が一時的にかなり少なくなる時期があり、排便の間隔があく場合があります。
但し、この場合は、便量が少ないので、あまり息みません。
原則として、黄色ないし淡緑色の便で硬くなければ心配ありませんが、一度に出る便量が多いようなら、1日一回出すよりも2-3回に分けて出すほうが楽です。
息んでいる時に、その都度、綿棒を肛門から約3cm程度ゆっくり挿入し、肛門括約筋を緩めて、肛門管内に溜まった便を排泄させてあげれば良いと思います。くせになったりはしません。
臍ヘルニアは6ヶ月頃まで目立つことが多いですが、その後は次第に退縮します。
コインを貼り付けたりすることもありますが、そのまま様子を見ても特に直るのが遅くなることはありません。
オムツで表面がすれてじくじくすることがありますから、臍ヘルニアに接触するオムツの部分は折り返しておくなどして、様子をみれば良いと思います。
ヘルニアが退萎縮した後、余剰の皮膚が残った場合、縫縮術で形成することがあります。
今のまま観察可能かどうかの最終判断は小児外科の先生がされますが、気になるようであれば、3ヶ月健診の時に小児科の先生に相談してみてください。
医師 小児科:横山 俊之
2001年7月28日
小児科・アレルギー科・内科医。日本小児科学会専門医。多くの時間を過ごす家庭での保育・看護を詳しく説明。スローガンは「病名よりも病態の理解を!」、座右の銘は「鼻閉と便秘で風邪はこじれる」
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