目 子どもの病気 子育て応援隊のズバリ!アドバイス
息子は3ヵ月健診で「先天性鼻涙管閉塞の治療が必要なようです」と言われました。マッサージや目薬による治療を続けたのですがよくならず、次に手術を受けるように指導されています。
こんな小さな子に手術をするのかと思うと怖かったし、転勤で引越してしまい手術は受けずじまい。目やにが出やすいのはこの病気のせいですか?
乾燥を防ぐために目は涙で常に潤されています。涙腺から分泌された涙は、目を潤したのち上下まぶたの内側にある涙点という穴から涙小管へと流れ込み、さらに鼻涙管を通って鼻に排出されます。
大泣きすると鼻水が出ますよね。これは涙が鼻へ流れ出たからなのです。
さらに風邪をひいて涙目になった経験もあるでしょう。鼻汁などで鼻がつまったために、鼻涙管もふさがり、涙の排出ができずに生じたもの。
これと同様の理由で涙目になるのが先天性鼻涙管閉塞です。
生まれつき鼻涙管に薄い膜が張っているため、涙が排出されないのです。この場合、生後まもなく涙目や目やにが認められます。しかしこの膜は、通常生後1ヶ月頃までに消失してしまいます。
生後2ヶ月を過ぎても症状が改善しない際は、自然治癒が難しいと診断されます。
そうなると最初にまぶたのマッサージや点眼薬による治療を。効果が上がらなければ、ブジーという細い針金を鼻涙管に挿入して薄い膜を破り開通を図ります。1回で成功する場合もあり、日をかえて2~3回繰り返さねばならないケースもあります。
この病気は視力の発達には影響を及ぼしません。
しかし細菌の繁殖といった問題が起きやすいため、眼科での早期治療をお勧めします。
医師 小児科:羽根靖之
医療法人童心会理事長。医学博士、小児科専門医。順天堂大学医学部卒業。東京女子医大および三重大学医学部にて研修。国立三重病院腎臓病棟主任、県立志摩病院小児科医長等を経て、平成5年に開業。現在は分院の「志摩こどもの城クリニック」(三重県志摩市)で病児保育を、本院の「はね小児科医院」(三重県鳥羽市)では発達障害児のデイケアサービスにも取り組んでいる。
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