予防接種 子どもの病気 子育て応援隊のズバリ!アドバイス
男の子が「おたふく風邪」にかかると、将来子供ができなくなってしまうので早く予防接種を受けないといけない、と友人に言われたのですが、本当なのでしょうか?
厳密には思春期以降おたふくかぜにかかり、合併症である睾丸炎に罹患するということです。
お子さんは、まだ1才ですから、自然に罹患しても、そう心配はありませんが、少なくとも入学までにかからなければ、自然経過でも10日前後休まなくてはなりませんし、合併症には睾丸炎のみならず、髄膜脳炎、難聴、などもありますので、早めにしておくことをおすすめします。
1歳以上で受けられます。
医師 小児科:桑折 紀昭
2001年2月 9日
おたふく風邪の合併症で最も頻度が高いのは、無菌性髄膜炎で、脳の周囲の髄膜に感染が及び、頭痛・嘔吐・発熱が出現します。通常、1週間程度の入院と、その後、さらに、1週間程度の自宅安静が必要ですが、予後は良好です。
頻度は、400-500人に1人程度で認められます。その他に、稀ですが、脳炎、難聴、膵炎などがあります。
ご指摘の(副)睾丸炎は有名な合併症ですが、頻度は高くなく、通常、片側性で、回復する確率も高く、不妊に至ることは稀と考えられます。
また、年齢的にも、精子形成が始まっていませんから、今の年齢で、(副)睾丸炎による不妊を心配して、おたふく風邪の予防接種をされる必要はないと思います。
むしろ、現実的には、脳炎や難聴の方がより注意すべき合併症であり、特に、難聴は予後不良です。
1歳以上でしたら、予防接種は可能で、副反応も少ないですから(無菌性髄膜炎の出現が10000人1人程度あります)、体調の良いときに受けておかれたら良いでしょう。
おたふく風邪の耳下腺腫脹の程度にはかなりの個人差があり、20-30%の方は気がつかないうちに済んでいる場合もあります。また、風邪でも耳下腺炎が認められる場合があり、流行期に典型的な症状が出現した場合を除いて、かかったのか、かかっていないのか、よくわからないままに経過してしまう場合が結構あります。
当然、年齢が高くなると共に、おたふく風邪の方との接触する機会は急速に減少しますから、かからないままに、成人となり、自分の子供からおたふく風邪をうつされるという事態もあり得ます。
そうなると、一般に、年齢が高いほど、おたふく風邪も重症ですし、(副)睾丸炎の合併もより切実な問題となりますので、小学校に上がる前までには、予防接種を済ませておく方がよいのではないかと考えます。
医師 小児科:横山 俊之
2001年2月 9日
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