発熱、かぜ 子どもの病気 子育て応援隊のズバリ!アドバイス
11月末と12月末に仮性クループと診断され、5日間入院しました。もう一度同じような症状が出たら、子ども専門病院で精密検査をしたほうがよいといわれています。どんな病気が疑われているのでしょうか。それに対する治療(外科的手術が必要かどうかなど)も教えてください。
12月末の後、元旦から高熱が出て9日間入院。(血液検査で炎症反応が高かったため)これはいろいろしらべましたが原因不明でした。生まれてから3回出した熱が3回とも重症化し、主治医も「偶然であるといいが…」といっています。免疫不全が疑われましたが、これは大丈夫でした。
どうしてこんなふうになってしまうのでしょうか。6月より保育園に入る予定なので、心配です。
クループとは喉頭の狭窄あるいは閉塞によって『吸気性』の喘鳴、犬吠咳嗽(犬が吠えるような咳)、嗄声、あるいは無声呼吸困難を来す『状態』です。多くは夜間に突然に生じる喉頭痙攣発作で、一過性の呼吸困難を生じます。主に乳幼児に多い状態を言います。
クループとはこういった『状態』を示す言葉で疾患の名前ではありません。
大体3ヶ月から3歳くらいで好発して5歳以上では稀になります。(大人はやはりジフテリアのクループや、急性喉頭蓋炎が多くなります。)主に乳幼児の症状です。
昼間は軽い上気道炎症状です。鼻水、咳、軽い声の嗄れくらいですが、まったく症状なしの子もいます。こういう子が突然夜間『吸気時に』(空気を吸い込む時…ですから呼気時に呼吸がおかしくなる喘息とも区別できます)、嗄声(声の嗄れ)、金属性の犬吠様咳嗽を生じて、吸気性呼吸雑音を伴う呼吸困難を来します。
原因は
1.炎症:つまり何らかの感染症(ウイルスや細菌など)から惹起される場合。急性喉頭蓋炎仮性クループ(急性声門下喉頭炎)、喉頭気管気管支炎細菌性気管支炎。ウイルス性も細菌性もあります。
2.異物:喉頭異物、気管支異物
3.痙攣性喉頭炎
4.アレルギー性喉頭浮腫
5.ジフテリア(1に入れてもいいのですが特殊な場合ですので)
呼吸異常があれば、夜間でもすぐに救急(この場合内科小児科)に連絡することが望ましいものです。治療はまず原因を調べることが大切です。治療はその原因によって違ってきます。
だから先生に伺うことでしょう。クループという病気でなくある症状を総称しますので。
医師 耳鼻咽喉科:砂山 恵子
2001年1月23日
かぜ症状に続き、急に発症する気道の閉塞性呼吸困難を示す状態ををクループと呼びます。ほとんどは急性喉頭炎といって、声門下の浮腫性変化によって、変な咳が出ます。
犬吠様咳とむかしから呼ばれますが、私は適切だと思いません。むしろ、オットセイの鳴き声に近いと思います。
原因のほとんどはパラインフルエンザ、RSなどの気道ウイルス感染によるのですが、冬場、夜間、部屋が乾燥しているときなどに急に起こってきて、チアノーゼや呼吸困難を来すこともあるので、大事をとって入院ということになりやすい疾患です。
非感染性で、夜間発作性におき、アレルギーが、関与している場合、反復しやすく、お子さんの場合、精密検査といわれたのはそのことだと思います。
さて、3回でた熱が、3回とも入院になったのは、たしかに不幸ですが、ちょうど月齢的に抵抗力が弱い事、そしてそれが冬場になった場合、必ずしも稀ではありません。
悪化しやすいかどうかは、
・母乳で育てたか?
・まわりに感染源がいつもあるのではないか(兄弟、保育園、人の出入りが頻繁)?
・手洗い、衣服、爪の清潔、保温、加湿、栄養など基本的注意がなされているかどうか?
・初期治療が遅れてはいないか?
・治療を中途半端で終わらせてないかどうか?
などが関与していることが多く、体質的に弱い(免疫不全)ということは実は稀です。
6月から保育園ということで、ますます頻繁に病気になりやすいと思いますが、上記に加え、できるワクチンは早めにすませ、最初の数ヶ月は、たびたび休むことを覚悟して、早め早めの治療を心がけて下さい。
それを乗り越えれば、だんだん抵抗力も増し、2-3歳になれば、ぐっと元気になってくると思います。たまたま不運でしたが、大なり小なりみんな経験することです。がんばってください。
医師 小児科:桑折 紀昭
2001年1月23日
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