ストレス、発達障がい 子どもの病気 子育て応援隊のズバリ!アドバイス
もうすぐ6歳になる長男が夜のお漏らしが治りません。昼間も何かに夢中になるとお漏らしをしてしまうことがあります。
どのようにしたら治るでしょうか?次男はもうとれているのでどのように長男に言っていいのかわかりません。それとも病気なのでしょうか?
6歳を過ぎて、おねしょがある場合、一応、夜尿症としますが、個人差や体質も関係しますから、あせる必要はありません。
夜間については、寝てしまうと全然気づかないということですから、熟睡できているということでもあります。睡眠は発育発達に重要です。特に、昔から「寝る子は育つ」といわれるていますが、睡眠により、成長ホルモンの分泌が促進されます。
おねしょは何とかならないものかと思われると思いますが、長い目でみると、塾睡自体は成長に多いにプラスになっているという側面があります。
したがって、夜おこしてトイレにいかせる試みも良くされますが、これは、トイレ夜尿と言って、形はトイレで出来ても、実質的には夜尿と同じですので、避けられた方が良いでしょう。
特に、中途覚醒させると、睡眠が遮断されると共に、尿を濃くして尿量を減らす働きをする抗利尿ホルモンの分泌が阻害されるために、反って、良くないと考えられています。
おねしょパット等を利用して、出来るだけ実害がないようにしつつ、見守ることが望ましいということになります。
一般的対策としては、夕方からの水分摂取量は控えめにする。出来るだけ、うす味の食事を心がける。寝る時、腹巻等を使って、下腹部を保温する。昼間、排尿する時、いきなり出さないで、5とか10とか数を数えて少し我慢してから出す(膀胱括約筋の強化)。などがあげられます。
以上のような試みをしながら、必要なら、三環系の抗鬱薬を服用されても良いでしょう。心身あるいは膀胱の緊張を取ってリラックスさせる作用と、抗利尿ホルモンの分泌促進作用があります。
また、夜尿カレンダーと言って、夜尿があった日となかった日を記録していくと、上手くいった日が少しでも増えると、自信になります。なお、冬場は冷え込みが厳しいので、膀胱も縮こまり、容積が減り、尿をためる力が低下しますから、夜尿の治療には必ずしも良い時期ではありません。したがって、この時期は少し大目にみてあげることも要でしょう。
また、弟さんは、おむつが取れようとしているということですから、時に、お兄ちゃんなのにおねしょはおかしいということで、比較されると、ストレスになる場合があります。3歳以内の兄弟は双子とみなした方が良いとも言われています。
弟さんが生まれた頃から、お母さんが自分のことをかまってくれないように感じてしまうこともあり、所謂、「赤ちゃん帰り」の状態で、おねしょが続くこともありますので、少し、お兄さんの相手をしてあげる時間を意識してとってもらうと落ち着くかもしれません。
医師 小児科:横山 俊之
2001年1月25日
小児科・アレルギー科・内科医。日本小児科学会専門医。多くの時間を過ごす家庭での保育・看護を詳しく説明。スローガンは「病名よりも病態の理解を!」、座右の銘は「鼻閉と便秘で風邪はこじれる」
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