発熱、かぜ 子どもの病気 子育て応援隊のズバリ!アドバイス
入園までは年に3,4回くらいしか風邪をひかなかったのに、入園してからというもの、風邪をひかない月はないといっていいくらいの状態です。睡眠は充分とっていますし、3度の食事は野菜、果物など食事内容にも気をつけるように心がけています。手洗い、うがいもしています。何に気をつけてあげたらいいのでしょうか。
風邪のウイルスは約150種類ほどあります。
と言うことは、最低150回は風邪にかかることになります。この中には、鼻水が出るだけで終了するものから、4-5日発熱が続くようなものまで、いろいろあります。
さて、一生の中で、15歳が一番有病率の少ない年齢とされています。これは一通り風邪をこなして抵抗力(免疫)が完成し、一方また、生活習慣病のような慢性疾患もない年齢です。
したがって、生まれてから、特に、集団生活を始める年齢である3-4歳から(保育園であれば、1-2歳から)、15歳の間、すなわち、約12-13年間に150回風邪を引く必要があります。
特に、小学校低学年までに集中しますから、150割る8で、年に18.8回、月に1.5回はかぜを引くことになります。
とりわけ、秋冬は空気が乾燥して冷たい時期で、風邪のシーズンですから、いろいろな種類の風邪のウイルスが一度に出回ります。結果、次から次にかぜにかかると言う事態もありえます。
風邪のウイルスの種類は150種類あっても、風邪の症状が150通りあるわけではなく、むしろ、殆ど同じですから、どのウイルスのかぜにかかったのかはわかりません。
風邪が長引いている場合も、実際には、約1週間程度続く風邪を、続けざまに3-4回ひいてしまい、極端にこじれているわけではないけれど、見かけ上、症状だけはぶっ続きになっているという場合もあります。
したがって、中耳炎、気管支炎、肺炎等の合併症がなければ、上手く風邪をひきこなしたと思ってください。区別は難しいですが、150種類ある風邪ウイルスの一つ一つに対して、確実に抵抗力が出来てきているわけです。インフルエンザのように毎年、姿形を変えてやってくる風邪は例外ですが、引かなければいけない風邪のかずは、引けば引くほど、減っていくことになります。
予防接種をすると、その対象疾患にかかり難いか、あるいは、かかりませんね。
風邪にも予防接種があれば理想的ですが、150種類もあるので、現実的にはワクチンは開発されていません。風邪をひくと言うのは、いわば、天然の風邪ワクチンを接種しているようなもので、通常の予防接種の副反応にあたる有害事象としての風邪症状が100%出てしまうわけです。
確かに、同じ風邪を引いても軽くすむ人と、重くなる人がいます。微妙な抵抗力(免疫応答)の違いがあることは確かですが、これはあまり気にされなくて良いと思います。
生活のリズムもきちんと出来ていますから、申し分ありません。乾布摩擦とか、あるいは、水泳で皮膚を鍛えると風邪をひきにくくなる(厳密には軽く済む)と言われています。無理のない範囲で取り入れられても良いでしょう。
大局的には、時間待ちの問題ですから、小学生になる頃には落ち着いてきます。周囲の方の心配が強いと、本人も萎縮して、引っ込み思案になったりする場合もありますから、過度には心配されないほうが良いでしょう。
医師 小児科:横山 俊之
2000年12月13日
小児科・アレルギー科・内科医。日本小児科学会専門医。多くの時間を過ごす家庭での保育・看護を詳しく説明。スローガンは「病名よりも病態の理解を!」、座右の銘は「鼻閉と便秘で風邪はこじれる」
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