小児科なんでも 子どもの病気 子育て応援隊のズバリ!アドバイス
4ヶ月の娘が泣き出したのでミルクを作ろうとしたら、突然泣き方が激しくなりました。あわてて抱っこすると、呼吸が浅く体も冷たくなって唇も青黒い!そして泣き止むとグタッとして意識を失ってしまい…急いで救急車を呼び病院へ行ったんです。
意識は5分ほどで戻ったのですが、「泣き入りひきつけ」と医師に診断されました。でも、娘はあのとき、熱もなくけいれんも起こしていなかったはず。泣き入りひきつけとは何なのでしょう。
泣き入りひきつけは、別名「憤怒けいれん」。痛みや感情的な興奮から激しく泣き過ぎて、息を吐き切った状態で呼吸を止めたため起こります。このとき、脳が一時的な酸欠状態となり、意識を失ってしまうのです。
しかし、そのまま静かにしていれば1分ほどで治まり、その後寝入ってしまうもの。感情の起伏が激しかったり、神経質で興奮しやすかったりする子に多く見られます。
発症する時期は1才前から。そして2~4才頃には、自然と落ちついてくるんですよ。
泣き入りひきつけは、脳に何らかの障害があって起こるものではありません。ですから、てんかんのように薬を内服することもなく、熱性けいれんのように発熱したからといって心配しなくてもいいのです。
とはいえ一時的でも意識を失うのですから、親としては防ぎたい症状ですよね。もし、これから激しく泣き出すようなことがあれば、抱き上げたり外に連れ出したりして気を紛らわせてあげましょう。ただし、過剰に気を遣わなくてもいいんですよ。
また、まれに親の接し方が原因で、子どもが強いストレスを感じている場合があります。そのため、かんしゃくを起こしやすくなり、泣き入りひきつけにつながることも。
あまり深く考え込む必要はありませんが、少しだけ立ち止まり育児について見直してみましょう。
医師 小児科:羽根靖之
医療法人童心会理事長。医学博士、小児科専門医。順天堂大学医学部卒業。東京女子医大および三重大学医学部にて研修。国立三重病院腎臓病棟主任、県立志摩病院小児科医長等を経て、平成5年に開業。現在は分院の「志摩こどもの城クリニック」(三重県志摩市)で病児保育を、本院の「はね小児科医院」(三重県鳥羽市)では発達障害児のデイケアサービスにも取り組んでいる。
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