耳鼻咽喉 子どもの病気 子育て応援隊のズバリ!アドバイス
娘はにおいにものすごく敏感です。においがトイレに残っていると、吐きそうになりながら涙目に。外のトイレでは、クサいと言って吐いてしまいます。
また少しでもにおいのある人の横に行くと「なんかにおう!」と大きな声!そのあと、相手に失礼にならないようごまかすのが大変なんです。
鼻腔(鼻の穴)の中には、約250平方㎜の嗅粘膜という箇所があります。ここがにおいの刺激をキャッチし、脳神経のひとつである嗅神経を通して大脳へと伝えます。
異常なまでににおいに敏感なのは嗅覚過敏といいます。原因は明らかではないのですが、一般的にヒステリー、神経衰弱、女性の妊娠や月経などの際に起こるもの。
激しいにおいを脳に伝えるときには嘔吐中枢をも刺激する場合があるため、頭痛や嘔吐を伴ったりします。
さて、嗅覚には不思議な仕組みがあります。たとえば、あるにおいが長時間漂っているとすると、嗅覚は初めその刺激に反応。しかし、しばらくすると麻痺してそのにおいを感じなくなります。これは次に訪れるにおいを嗅ぎ分ける準備が嗅覚になされるためです。
娘さんにもこの仕組みを意識的に体験させて「いやなにおいもすぐ気にならなくなるよ」と教えると騒がなくなるのでは?
それから嗅粘膜は年をとると縮小するので、小児のほうが成人よりもにおいに敏感とされています。娘さんも加齢によって過敏性は和らいでくるかも。
いずれにしろ誰かを指して「クサい」と言えば、相手にいやな思いをさせてしまうことは徐々に教えてあげてくださいね。
医師 小児科:羽根靖之
医療法人童心会理事長。医学博士、小児科専門医。順天堂大学医学部卒業。東京女子医大および三重大学医学部にて研修。国立三重病院腎臓病棟主任、県立志摩病院小児科医長等を経て、平成5年に開業。現在は分院の「志摩こどもの城クリニック」(三重県志摩市)で病児保育を、本院の「はね小児科医院」(三重県鳥羽市)では発達障害児のデイケアサービスにも取り組んでいる。
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