耳鼻咽喉 子どもの病気 子育て応援隊のズバリ!アドバイス
娘が寝ついてから耳かきをしてあげていたところ、娘が大きく手を動かし、その手が耳かき棒に当たって娘は大泣き。救急病院へ連れて行くと大事には至っていないとのこと。
ところが翌日耳鼻科で診てもらうと「だいぶ傷ついています。今は血の塊があって奥までは見えないので1週間後に再受診を。鼓膜が破れているかもしれません」というお話でした。
耳の中の出血と痛みは、じきに治まってくるでしょう。傷ついた箇所がどこであれ、そこに細菌感染するのを防ぐため、耳に綿をつめたり抗生物質を内服したりするよう病院では指導されたと思います。
そしてこの傷が耳の入り口から鼓膜まで続く外耳道だけに付いたものか、鼓膜にまで穴が開いてしまったものかによって、今後の治療法も変わってきます。
外耳道が傷ついただけなら、たとえ外耳道炎になっても抗生物質を服用すれば次第に回復を。
しかし鼓膜に穴が開いていると、難聴や耳鳴りといった症状が生じ、中耳炎になる恐れも出てきます。
ですから鼓膜に穴が開いた場合で、事故後2週間以内ならば穴を閉鎖する処置を施します。皮膚の代用となる素材を使って穴を覆うことで、自然治癒するのを助けるのです。
ほとんどはこの治療法でうまくいくはず。しかしなかにはこれが何度も失敗するケースもあり、そうなると鼓膜形成手術を行なうことになります。
これは耳の後ろの皮膚の皮下組織や耳の上に位置する側頭筋の筋膜を使って鼓膜を形成する手術。この手術を行なえば徐々に聴力は改善し、約6ヶ月でほぼ正常の鼓膜の状態に戻ります。
医師 小児科:羽根靖之
医療法人童心会理事長。医学博士、小児科専門医。順天堂大学医学部卒業。東京女子医大および三重大学医学部にて研修。国立三重病院腎臓病棟主任、県立志摩病院小児科医長等を経て、平成5年に開業。現在は分院の「志摩こどもの城クリニック」(三重県志摩市)で病児保育を、本院の「はね小児科医院」(三重県鳥羽市)では発達障害児のデイケアサービスにも取り組んでいる。
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