皮ふ 子どもの病気 子育て応援隊のズバリ!アドバイス
息子(2才3ヶ月)には、生まれつき茶色のシミがあって、それが少しずつ増えてきています。おなかや背中、そして足や腕などに。
以前受けた健診では、こういう症状には神経線維腫症という病気の恐れがあるとのこと。これはどういう病気なのですか?
茶色いシミに似たものは、皮膚にメラニンの顆粒が増加してできる色素斑(あざ)の一種で扁平母班といいます。
形は円形に近く大きさは数cmから手のひら大までさまざまです。さらにこのなかで、比較的小さく、ミルクコーヒーのような色のあざをカフェオレ斑と呼びます。このカフェオレ斑が多発したうえで、思春期以降になって神経線維というものが腫瘍化するのが神経線維腫症です。
そもそも神経線維とは、体内にある無数の神経細胞から伸びていて、ほかの神経細胞や感覚器に情報を送る働きをしています。これが腫瘍化すると当然その働きも滞るのですが、体のどの部分が腫瘍化したかによって症状は異なってきます。
たとえば脊髄だと体に麻痺が起こったり、脳であれば知覚障害が生じたり。ただし、このような重要な部位にできた場合や悪性化してガンや肉腫になるケースを除けば、基本的には良性の腫瘍。そのため手術で切除すると、問題なく生活できることも多いようです。
さて、息子さんに関していえば、今カフェオレ斑が増えているからといって、必ずしも将来、神経線維腫症になるとは限りません。カフェオレ斑は正常な人にもしばしば見られるもの。
とりあえず、「直径1、5センチより大きいカフェオレ斑が6個以上存在すれば神経線維腫症になる可能性がある」という目安を念頭に、息子さんの状態を見守っていきましょう。
医師 小児科:羽根靖之
医療法人童心会理事長。医学博士、小児科専門医。順天堂大学医学部卒業。東京女子医大および三重大学医学部にて研修。国立三重病院腎臓病棟主任、県立志摩病院小児科医長等を経て、平成5年に開業。現在は分院の「志摩こどもの城クリニック」(三重県志摩市)で病児保育を、本院の「はね小児科医院」(三重県鳥羽市)では発達障害児のデイケアサービスにも取り組んでいる。
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