耳鼻咽喉 子どもの病気 子育て応援隊のズバリ!アドバイス
息子(3歳4ヶ月)は、のどの奥が見えないほどの大きな扁桃腺をもっています。だから、風邪をひくとせきがひどく、タンがからんでとても苦しそう。おまけにいびきも大きくって。
小児科では5歳ぐらいで手術ができるので、耳鼻科に相談してはとアドバイスされています。でも手術っていったいどんなことをするのでしょうか。
扁桃腺は、のどの奥に見える口蓋扁桃や鼻とのどの境目にある咽頭扁桃(アデノイド)などからなるリンパ組織です。そしてこれは、加齢によって生理的に肥大するもの。
とくに4~5才から著しく大きくなり、7~8才でピークに。そしてその後は縮小していきます。
肥大が激しい時期には、のどや鼻の奥の上気道が狭くなり、また仰向けに寝ると気道が閉塞して大きないびきが出ます。そして、食べ物を飲み込めなくなることも。
さらにひどくなると眠っている間に息が止まる、年4回以上も扁桃腺炎をくり返す、また扁桃腺炎を引き起こした細菌がやがては心臓や腎臓などに感染するといった事態を招きます。
こうなると手術で扁桃腺を摘出したほうがいいでしょう。
摘出と聞いて不安に思われる方もいるかもしれません(そもそも扁桃腺の役割は明らかになっていないのですが、免疫などに関与しているのではと考えられています)。しかし扁桃腺は、5~6才以上になれば摘出しても問題ない組織であると確認されています。
手術は全身麻酔をしたうえで約60~90分要します。傷口は縫い合わせない方法で閉じるので、その後抜糸することはありません。
また術後1日目には痛みを感じますが、7~10日経てば退院できます。
医師 小児科:羽根靖之
医療法人童心会理事長。医学博士、小児科専門医。順天堂大学医学部卒業。東京女子医大および三重大学医学部にて研修。国立三重病院腎臓病棟主任、県立志摩病院小児科医長等を経て、平成5年に開業。現在は分院の「志摩こどもの城クリニック」(三重県志摩市)で病児保育を、本院の「はね小児科医院」(三重県鳥羽市)では発達障害児のデイケアサービスにも取り組んでいる。
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