ママのためのぷち心理学
身の周りにあるものを別のものに見立てて遊ぶ「見立て遊び」。これは、幼児の代表的な遊びの1つですね。積み木やブロックなどのおもちゃを使うこともあれば、おうちの中にある空き箱や新聞紙といった、ありふれたものを使うこともあります。また、お外で拾ってきた落ち葉やどんぐり、松ぼっくりなども素材になります。
遊び方としては、たとえば薄い長方形の積み木(カマボコ板のようなものですね)を耳に当てて「もしもし」と電話にしたり、段ボールの大きな空き箱に入って「ブッブー」と乗り物にすることもあります。また、葉っぱのお皿にどんぐりをのせて、お料理気分を味わったりします。
こうした見立ての背景には、ただの積み木、単なる空き箱や葉っぱ、というように、ものを固定的に見るのではなく、まったく別のものとして見るという柔軟な思考が働いています。実は、これは創造性を測る課題に、とてもよく似ているのです。
心理学者のギルフォードは、元々成人の創造性を測るために、用途考案課題を用いました。これは、物の本来の用途以外の、新しい別の使い方をたくさん考えることを要求する課題です。たとえば、新聞紙を例にとると、帽子を作る、服を作る、雑巾代わりにする、ちり取り代わりにする、といったものが考えられます。また、遊び道具として、くるくる巻いてフェンシングをする、細かくちぎって(新聞紙の)雪を降らせるなども答えになるでしょう。こうした「新しい使い方」をたくさん思いつくことが期待されているのです。つまり、用途考案課題は、見立て遊びの延長のようなものと考えることもできます。
このように見ていくと、自由な発想で見立て遊びをすることが、結果として創造性を高める可能性に気づきます。見立て遊びは、楽しみながら創造性を育む役割を果たしてくれる遊びです。
ここで、子どもたちが得意げに見立て遊びを見せてくれた時の、ママやパパの受け止め方も大切です。「うんうん、楽しいね」などと笑顔で共感を示してあげたいものです。そして、子どもと同じ目線でその見立て遊びに参加することができると、なおよいでしょう。童心に帰って、親子で見立て遊びを楽しんでみてはいかがでしょうか。
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