ママのためのぷち心理学
子育て中のママやパパは、育児、仕事、人間関係などで、けっこうストレスがたまっているはず。
「ストレスのせいで、最近、体調もあまりよくないみたい」と感じることもあるのでは?
たしかに、ストレスは体に悪いというのは、誰もが知っている常識のようなもの。これを疑う人は、ほとんどいないでしょう。
ところが、意外な研究結果があるのです。アメリカの心理学者ケラーたちは、「ストレスは本当に体に悪いのか」という問題を、あらためて考えるために、国の大規模な調査結果をもとに研究を行いました。ケラーたちは、不幸な出来事に見舞われて強いストレスを受けた人々を対象に、ストレスと健康の関係を、少し深掘りしてみたのです。すると、ストレスが健康を害すると信じていた人たちは、やはりその通りになりました。つまり、体調を崩して早く亡くなったりしていたのです。ところが驚いたことに、ストレスを受けていても、ストレスには害がないと考えた人たちは、ストレスをほとんど受けていなかった人たちと同様に、健康であり続けたのです。
これはいったい、どういうことなのでしょうか? 実は、健康を害する原因はストレスそのものではなく、受けたストレスを有害だと思い込むことだったのです。
このことを一歩進めて、「ストレスにはよい面もある」「ストレスは私たちに成長をもたらしてくれる」というふうにストレスをポジティブにとらえ直すように教えた研究があります。このように教えられると、ストレスを受けた場合にも、通常のストレス反応としての心血管の収縮が起こらなかったのです。
私たちの生活から、ストレスをなくすことは不可能です。でも、ストレスが自分を成長させてくれると、前向きにとらえ直すことは十分に可能です。子どもたちも将来、毎日の生活の中で、ストレスを感じることが増えてくるでしょう。そんな時、ママやパパがストレスをただ悪者扱いするのではなく、成長するチャンスととらえて乗り越えていく姿を見せてあげることは、とても効果的です。ストレスを味方につけて成長する。そんな姿勢が、子どもたちの生きる力を強めてくれるのではないでしょうか。
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