ママのためのぷち心理学
ママやパパが微笑むと、子どもたちも微笑んでくれる…それは多くの人が経験していることではないでしょうか。笑顔が笑顔を呼ぶという誰もが知っているこの現象は、いったい、なぜ起こるのでしょうか?
実は、私たちの脳にその秘密があります。脳は、私たちが相手の仕草や表情を見ることによって、あたかも鏡に映った自分の姿を見ているように反応するのです。この仕組みは、「ミラーニューロンシステム」と呼ばれるものです。イタリアの脳科学者リゾラッティらによって見出されました。もともとサルの脳について研究していた彼らは、他者の行動を見ているだけで、サルの脳に同様の変化が起こることを偶然発見したのです。「鏡のようなニューロン(神経細胞)」すなわちミラーニューロンという考えは、非常に興味深い仮説として世間に受け入れられました。
そして、サルだけでなく人間の脳にも、同様の仕組みがあるとされています。私たちは、知らず知らずのうちに相手と同じ仕草をしたり同じ表情をしていたりします。会話をしている2人の人を観察していると、このことがよくわかります。一方が腕を組むともう一方も腕を組み、一方が脚を組むともう一方も脚を組むという様子を見たことがあるのではないでしょうか。また、一方が嬉しそうにするともう一方も嬉しそうな表情を浮かべ、一方が悲しい顔をしていると、もう一方も悲しげな顔になることもよくあります。
こうした自然な模倣(もほう)は、「相手に合わせよう」と考えた意図的なものではなく、無意識のうちに生じる行動です。思わず相手と同じことをしてしまう…このことが、共感のベースになります。相手の表情を無意識にまねることによって、相手と同じ気持ちになるわけですね。
親しい間柄であれば、なおさら、こうした模倣が起こりやすくなるでしょう。とりわけ子どもたちは、大好きなママやパパの表情や仕草を自然にまねることが多いのではないでしょうか。
こうした仕組みを積極的に活かして、心からの笑顔を見せることで子どもたちの笑顔を引き出し、結果として楽しい気分にさせてあげることができるでしょう。
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