ママのためのぷち心理学
家事は、日々の生活に欠かせないもの。その大切さはわかっていても、繰り返しの作業に、時にはうんざりすることもあるのではないでしょうか。
家事を楽しくやりがいのあるものに変えることができたら、どんなに気分がよくなることでしょう。でも、そんな秘訣ってあるのでしょうか…。
実は、あるんです。アメリカの心理学者、クラムとランガーは、次のような実験を行いました。
彼女たちは、ホテルの客室の清掃を担当する客室係の女性たちを2つのグループに分けました。1つ目のグループには、客室清掃の仕事は、米国疾病対策予防センター(CDC)が推奨するアクティブな活動に合致するため、とても健康によいエクササイズだと説明しました。実際、客室係の仕事には、歩く、身体を曲げる、ものを持ち上げて運ぶといった作業が含まれていて、けっこうな運動量になります。床や浴室のお掃除、ベッドメイキングなど、それぞれの作業によって消費されるカロリーも彼女たちに伝えました。一方、もう1つのグループには、何も言いませんでした。
約1か月後に、体重や体脂肪率、血圧、ウエストとヒップの比率(ヒップに対するウエストの割合)などを測定したところ、説明を受けたグループでのみ、これらが下がっていました。念のために、2つのグループの仕事量を調べてみましたが、まったく差がありませんでした。では、いったいなぜ、このような結果になったのでしょうか? 実は、意識に違いが生じたのです。説明を受けたグループでは、自分たちが、とてもよいエクササイズをしているという意識が高まっていました。一方、説明を受けなかったグループは、これまで通り、何も考えずに仕事をこなしていました。
「えっ、たったそれだけのことで違いが出るの!?」と驚いてしまいますね。実は、「この作業は健康によい」と信じて前向きな気持ちでお掃除に励むことが、健康を増進してくれるのです。さらには、ウエストまで引き締まったのですから、美容にもよいようです。お掃除に限らず、家事は一般に運動を伴いますから、これを健康と美容のためのエクササイズだと意識しながら気分よく行うことで、きっと効果が表れることでしょう。
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