ママのためのぷち心理学
小さい子どもたちは、同じ年頃のお友だちに興味津々。まだうまくおしゃべりできない1歳児でさえ、よく似た年齢のお友だちに近寄っていき、大人にはわからない言葉で話しかけたり、ニコニコと笑いかけたりします。会話がほとんど成り立っていなくても、ふたりして楽しそうに、ゲラゲラ笑っていることもあります。
年齢が進むにつれて、幼児どうしのコミュニケーションは活発になっていきます。おもちゃの取り合いなど、時にはケンカも起こりますが、およそ3歳頃から、「順番にね」などのルールがわかるようになり、少し相手のことも考えられるようになります。そして、4歳くらいになると、「相手はどうしたいのか」「相手はどんな気持ちなのか」というように、少しずつお友だちの立場に立って考えることができるようになります。言い換えると、相手の視点が取れるようになるのです。これが、心理学でいう「視点取得」です。他者の考えや気持ちがわかり始めると、コミュニケーションがスムーズになり、「ごっこ遊び」も上手になります。
こうした視点取得の力が育つためには、大人との関わりだけでなく、子どもどうしの関わりがとても重要です。というのも、大人とのコミュニケーションでは、子どもが相手の視点を取る必要があまりないからです。大人はたいてい、先回りして子どもの考えや気持ちを汲み取ってくれますが、自分と同じような子どもが相手だと、そうはいかず、お互いに相手の立場に立って考えることが必要になります。そのため、相手の立場に立ったうえで、自分の考えや気持ちを伝える練習が、自然にできるわけです。
子どもどうしのコミュニケーションは、「どう言えば、相手にわかってもらえるか」を考える絶好の機会となります。そしてさらに、さまざまな状況の中でお友だちの発言を聞いて、「こんな時には、こんなふうに言えばいいんだ」ということを学び取ります。そもそも、子どもたちには、他の子の真似をしたがる傾向がありますから、こうした「お友だちからの学び」は、とても効果的です。
子どもどうしのコミュニケーションが、子どもたちを大きく成長させてくれると言えるでしょう。
Copyright © 2011 Mikihouse child & family research and marketing institute inc. All rights reserved.
この記事にコメントしよう