ママのためのぷち心理学
離乳食を無事に卒業してホッとしたのもつかの間、幼児食が始まって少し経つと、ママたちの新たな悩みが生まれることがあります。それは、子どもたちの偏食。せっかく用意した食事に嫌いなものが入っていると、「イヤ!」と拒絶して食べてくれません。なだめすかしてもダメな場合は、「食べないのね? 」「どうして食べないの? 」とママの声のトーンも上り調子に…。
もちろん、アレルギーは別として、幼児に向かない食べ物があることは事実です。奥歯がまだ生えそろっていないのに固いものを与えたり、小さな子がもともと苦手とする苦い味や辛い味の食材をそのまま与えたりすることには無理があります。たとえば、野菜サラダに固い千切り人参が入っていたり、大人には美味しく感じられる、辛みのあるセロリやピーマンなどが入っていたりすると、幼児には受けつけにくいこともあり、調理に工夫が必要です。
一方、子ども用にと配慮した食材であっても食べたがらないときには、心理的な原因が潜んでいる場合があります。たとえば、食事中にひどく叱られたりすると、叱られた悲しい気持ちと食べていたものとが頭の中で結びついてしまい、無意識のうちに、その食べ物が嫌いになってしまうことがあります。このような結びつきを、心理学では「連合形成」と呼びます。とりわけ食事中に子どもを叱ったり夫婦で口論を始めたりなど、子どもが嫌な気持ちになることは、よくない連合を形成してしまうため、ぜひ避けたいものです。逆に、食卓での楽しい話題や家族の笑顔、明るい音楽やお気に入りの食器など、子どもにとって嬉しい事柄が食事と連合を形成するように心がければ、「食べることは楽しいもの」「今食べているものも好き」といった、よい結果を招くことができるでしょう。
子どもの味覚や食欲は、食卓の雰囲気に大きく左右されます。もちろん大人も、そうですよね。幼児の場合は特に、いっしょに食卓を囲むママやパパがニコニコ顔で「おいしいね!」と楽しそうにしていることで、苦手な食材にも手が伸びやすくなるかもしれませんね。
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