ママのためのぷち心理学
今回の新型コロナウイルスの流行によって、不安を感じるママたちは少なくないでしょう。不安が強すぎたり長引いたりするのは、つらいものですね。
では、そもそも不安を感じること自体、よくないことなのでしょうか? いいえ、そうではありません。不安には、「気をつけて!」と注意を喚起してくれる警報のような働きがあります。不安を感じることで、私たちは慎重になり、身を守ることができるのです。たとえば、暗闇や危険な場所にまったく不安を感じなければ、リスクを避けることもせず、身の安全が守れなくなるでしょう。実際、不安や恐怖の感情を担う、脳の偏桃体という部位を損傷すると、命を危険にさらすようなことを平気でしてしまいます。不安を感じることは、実は健全さの証拠なのです。
わかりやすい単純なリスクならば、容易に避けることもできるでしょう。でも、今回のウイルスのように、正体がよくわからないものに対する不安は、少し厄介です。危険と安全の間の線引きがとても難しく、「このラインをクリアすれば安心」というラインが見つからないのですから。
そのため、次から次へと飛び込んでくるニュースを見たり、自らネットで検索をし続けたりといった行動に走りがちです。その結果、ショッキングな内容の記事が次々と目に飛び込んできて、さらに不安を募らせてしまいかねません。でも、これでは情報が偏ってしまい、正しい判断ができなくなります。このようなときには、不安をあおる情報をいったん遮断して心のバランスをとることも必要です。また、不安な気持ちを抑え込まず、口に出してしまうことで気持ちが楽になります。ひとりで抱え込むのではなく、ママ友など、立場の似た人どうしで不安を分かち合い励ましあうことが、不安やストレスの解消にはとても役立ちます。
不安に支配されてしまわないよう、「安全のためにできることはすべて実行するけれど、それ以上のことは心配しても仕方がない」と、割り切ることが大切です。適度な不安で緊張感を保ちつつも、決して度を越さないようにするというのが、不安との上手なつき合い方といえるでしょう。
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