ママのためのぷち心理学
上の子が小さい弟や妹に優しく接してくれるかどうか、ママとしては、とても気になるところです。ママのアシスタントとして、かいがいしく、幼いきょうだいのお世話をしてくれることも多いのですが、中には、厳しすぎる態度で接する子もいます。
たとえば、次のような光景を思い浮かべてみてください。よちよち歩きを始めた1歳の弟シュンくんが、植木鉢のお花をちぎって遊んでいる…それを見つけたお兄ちゃんが、「何してるの!? シュンくんは悪い子だね! 悪い子はペンペンするよ!」と、シュンくんを大声で叱りつけています。おとなしい性格のお兄ちゃん自身が、このように叱られていたわけではありません。では、いったいなぜ、こんな叱り方を身につけたのでしょうか?
実は、このお兄ちゃんは次男だったのです。その上の長男がいたずらっ子で、いつもママからこのように叱られているのを見ていたのです。子どもは、身近な大人のふるまいを、そのまま真似することが多く、これを、心理学では観察学習と呼びます(モデリングとも言います)。見ているだけで、その行動が身についてしまうということですね。
「子どもが悪いことをしたとき、ママはこんなふうに叱っていた」という観察から、自分も弟に対して同じ叱り方をしたわけです。弟に限らず、お友だちに対しても、同じようにふるまう可能性があります。
子どもはとかく、「大人の言う通り」にはしてくれないものですが、案外、「大人のする通り」にするものです。もちろん、観察されているのはママだけではありません。パパや他の同居家族の行動も観察学習の対象になります。通常は、ママと接する機会が多いでしょうから、子どもたちはママを最もよく真似ることになるわけです。
「口調がママとそっくりね」「動作がママによく似ているね」といった言葉は、微笑ましさから出てくる場合が多いものですが、よいふるまいも、よくないふるまいも、子どもに対するママの影響力は絶大です。というわけで、弟や妹に優しく接してもらうためには、まず、日頃から、上の子どもたちに「優しい接し方」を見せておくことが大きなポイントとなるでしょう。
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