ママのためのぷち心理学
お友だちが一生懸命作った積み木のおうちを、隣で見ていた2~3歳の子が手で払って崩してしまう。こんな光景を目にしたら、どう思いますか? そして積み木を崩した子があなたのお子さんだったとしたら…。
「なんてひどいことをするの?お友だちに『ごめんね』って謝りなさい!」
と、思わず叱りたくなりませんか? そして、そんなことを繰り返すようなら、「困った子ね」と思ってしまうのでは…。
実は、ベテランの保育士さんであっても、こうした光景を目の当たりにすると、「乱暴な子」「困った子」というふうに、その子の性格に問題があると考えてしまいがちです。中には、「どうしてそんなことをするの?」と優しく問いかける方もいらっしゃるでしょうが、幼い子どもにとって、自分がしたことの理由を説明することは、とても難しいのです。そのため、もごもごと口ごもったり、黙り込んでしまったりするケースが多いものです。
このような一見乱暴にしか見えない行動の背景には、実はさまざまな理由が隠れています。私たちの研究の中で出て来たものですが、たとえば悪気のない理由としては、次のようなことが考えられます。「お友だちの気をひきたい」「そのお友だちといっしょに他の遊びをしたい」「単純に、積み木を崩すのが楽しい」「積み木を崩すことが遊びだと思っている」などなど。このように、積み木を崩すのが悪いことだと思っていない場合も決して少なくないのです。
こうした場合に、大人の感覚で「困った子」と決めつけて、いきなり厳しく叱りつけることは避けたいものです。子どもは時として、大人の理解を超えるようなことをしてしまいます。ママの方も、忙しくて気持ちの余裕がない時に困ったことをされると、つい一方的にきつく叱ってしまいがちです。でも、そんな時にはひと呼吸置いて気持ちを整え、「この子の側にも、何か理由があるのかもしれない」と考え直してみることも必要でしょう。そうした可能性を考慮しながら、積み木を崩されたお友だちの悲しい気持ちや悔しい気持ちを考えさせたうえで、「これはいけないこと」と教えてあげることができれば、理想的ですね。
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