ママのためのぷち心理学
小さな子どもが2人もいれば、お部屋はあっという間に雑多なおもちゃで埋め尽くされていきます。せっかく、シンプルなインテリアを目指して家具を選んだのに、床に散らばった子どもたちのカラフルなおもちゃの山を見て、目がチカチカしそう。しかも、テーブルに目を移すと、パパまでが、お財布やキーケース、スマホにメガネ、手帳、書類などをどんどん置きっぱなしにしていたりして。すっきりおしゃれなリビングにしたいママは、もうストレスがたまる一方です。
「また、こんなに散らかして。もう、早く片づけて! パパもよ!」
ところが、パパから思わぬ反論が。
「どうせすぐ使うんだから、このままでいいんじゃない? すぐにサッと手に取れる方が便利だよ」
子どもたちも調子に乗り、「そうだ、そうだ」と言い始める始末。この妙な共同戦線に、ママはいったいどう応じればいいのでしょうか?
たしかにパパの言い分にも 一 理ありそうです。でも、ここで引き下がるわけにはいきません。理屈には理屈を。というわけで、なぜお片づけが必要なのか、「根拠」を挙げて説得できるといいのですが。でも、説得力のある根拠って…? 「汚部屋だと運気が下がるらしいわよ。お金も貯まらないそうよ」と言ってみたところで、パパは信じないでしょうし…。
そこで、ご紹介したいのは次の実験です。心理学者の鈴木健太郎さんたちは、テーブルの上や周辺に雑多なものが置いてある条件(散らかった条件)と、必要なものだけを置いた条件(片づいた条件)とで、インスタントコーヒーを2杯作るという作業を比較しました。ただし、そのうちの1杯にはクリームだけを入れ、他の1杯にはクリームと砂糖を入れることになっています。すると、散らかった条件では、片づいた条件に比べて手が泳ぐなど、作業に淀みが生じたため、余計に時間がかかってしまったのです。
この結果から、あれこれ雑多なものが置いてあると、必要なものを選び出すのに時間がかかったり、うまく選べなかったりすることがわかります。それがおもちゃであれ、仕事や家事の道具であれ、同じことでしょう。これこそが、お片づけの必要な根拠と言えるでしょう。
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