ママのためのぷち心理学
子どもたちは、2〜3歳くらいから、ある程度まわりの人と会話ができるようになります。でも、さらに十分な意思の疎通ができ、相手とわかり合えるようになるためには、自分の思いを伝えるだけでなく、相手の心を理解する必要があります。そのためには、「相手には自分とは別の気持ちや好み、考えがある」「自分にはわかっていても、相手にはわからないことがある」といったことを理解する「心の理解力」が必要です。
たとえば、気持ちや好みについて言えば、「冷たいアイスクリームをもらうと私は嬉しいけど、歯が痛いお兄ちゃんは嬉しくない」とか、「僕は虫が大好きだけど、お姉ちゃんはきっと怖がるだろうな」といった理解です。
また、自分がわかっていても相手は知らないことについては、遊びに来た親戚のおばさんに、お友だちの飼っている子イヌ(トマトという名前)のことを話そうとして、いきなり「あのね、トマトって可愛いんだよ」と言ったら、おばさんは野菜のトマトのことだと思って、わけがわからなくなるだろうといった理解です。
こうしたことは、大人にはすぐわかるのですが、幼児にはまだまだ難しいものです。ところが、心理学者のジェンキンスたちの研究によって、日々接触するきょうだいの数が多いと、他の人の心を理解する力が高まることがわかりました。日頃から多くの人とコミュニケーションをとっていると、人の心は自分とは違うということが、自然に理解できるようになるのでしょう。
けれども、「うちは一人っ子で親子3人家族だから…」と心配する必要は、まったくありません。ママやパパがより積極的に子どもとお話しすることに加えて、お友だちとお話しする機会を増やし、また、おじいちゃん・おばあちゃんやご近所の方々など、なるべくたくさんの人ともお話しするきっかけを作ってあげればよいのです。
地域社会で密度の高い関わりを持つことができれば、子どもたちも幼いころから、いろいろな人とコミュニケーションを取ることによって、自分とは異なる立場や状況にある人たちの気持ちや考えなど、心を理解する力が育まれることでしょう。
Copyright © 2011 Mikihouse child & family research and marketing institute inc. All rights reserved.
この記事にコメントしよう