ママのためのぷち心理学
お店屋さんごっこやヒーローごっこ、おままごとなど、子どもたちは「ごっこ遊び」が好きです。
「ごっこ遊びには、どんな意味があるの?」「ごっこ遊びの相手をするのは苦手なんだけど、した方がいい?」と疑問を持つママたちがいます。たしかに、いつも怪獣や悪者役をさせられたり、変なセリフを強要されたら、ママだって少しうんざりするかもしれません。
では、ごっこ遊びにはどんな意味があるのでしょう?
まず、ごっこ遊びでは、食べたり飲んだり泣いたり怒ったりする「ふり」をします。ふりのためには、いつもの自分の行動をしっかり覚えておき、それを演じること、つまり記憶力や演技力が必要です。
次に、砂場でゼリーの空き容器に砂を盛りつけ、ごはんの代わりにするなど、代用品を本物に見立てます。「見立て」のためには、代用品をうまく考えつくという創造力が必要です。そして、自分ではない誰かの役割を演じます。「早く寝なさい」とママの口調や表情を真似るなど、他者の役割を演じるためには、日頃から、まわりの人のふるまいをよく観察しておくことが必要です。また、ごっこ遊びには、たいてい、なんらかのストーリーがあります。たとえば、宇宙からやって来た怪獣が暴れてみんなを困らせ、ヒーローが助けに来るなど。こうしたストーリーを生み出すためには、想像力も必要になるでしょう。
最後に、忘れてはならないのは、他者とのやりとりです。誰かとごっこ遊びをする時は、どんな風に遊ぶか、自分の考えを伝えたり相手の要望との折り合いをつけます。そして、役になりきって相手の発言にアドリブで答えること、つまり、コミュニケーション力が要求されます。
一見単純に見える遊びですが、ごっこ遊びを通して、記憶力・演技力・創造力・観察力・想像力・コミュニケーション力などが、知らず知らずのうちに育つことが期待できます。
お子さまが、ごっこ遊びをしようと言ってきたら、ママはできるだけ相手をしてあげてください。でも、子どもの言いなりになる必要はありません。「ママはこういう風にしたいな」と時には主張し、相手の気持ちを考えさせる機会を作るのもいいかもしれませんね。
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