ママのためのぷち心理学
「夫はあんまり協力してくれなくて、家事も子育ても私ばっかり」
こんな不満を漏らすママたちがいます。一方、夫の方にも言い分があるようです。
「会社は遠いし、仕事もきついし…。それでも、朝のゴミ出しや夜の風呂掃除、休日は子どもの相手と、こんなに働いているのに、まだ不満なの?」
お互い、自分の負担ばかりが大きいような気がして、険悪なムードになることも。
実は、ここには、心理的な落とし穴があるのです。心理学者のロスたちは、興味深い実験を行いました。彼らは37
組の夫婦に対して、朝食の支度や皿洗いなどの家事や育児など20項目について、夫と妻それぞれに自分がどれくらい貢献しているかを尋ねました。
すると、不思議な結果になりました。理屈の上では、ふたりの貢献度を足し合わせると100パーセントになるはずですが、多くの場合、合計が100パーセントを超えていたのです。
つまり、夫と妻の双方が、自分の貢献度を高めに評価していたのです。
なぜ、そんな結果になったのでしょう? 実は、自分ががんばったことは思い出しやすいのですが、相手のしてくれたことは、あまり覚えていないためです。
このような偏り(バイアス)を、ロスたちは、「自己中心性バイアス」と呼びました。心理学でいう「自己中心性」とは、自分勝手とは違い、ものごとを自分の視点からだけ見てしまうことを指します。
こうした自己中心性バイアスのために、私たちは、ついついパートナーがしてくれたことを軽く見てしまいがちです。その結果、相手をほめたり、お礼を言ったりすることが少なくなります。
すると相手は、寂しさや不満を募らせるでしょう。お互い、悪気はないのに、なんとなく関係がぎくしゃくしてしまう…そんなことにもなりかねません。
私たちにできることは、自分のものの見方の偏りを自覚することです。「私は相手よりもたくさん働いた」と思う時は、ほんの少し割り引いて考えた方がよさそうです。
お互いにそうすることで、よりよいパートナーシップを築いていけたら、ステキですね。
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