ママのためのぷち心理学
「また、こんなに散らかして!」
さっきお掃除したばかりなのに、次から次へと引っ張り出したおもちゃを、部屋中に広げたままにしているわが子を見て、頭にカーッと血がのぼりそう…。しょっちゅうこんな思いをしているママたちも多いようです。
子どもはたいてい、お片づけが苦手。おもちゃを出すのは好きだけど、しまうのは嫌いという子が多いものです。最初はやさしく「片づけようね」と諭していたママも、ついには、「何度言ったらわかるのよ!」と怒りモードに入ってしまいます。すると子どもはめそめそ泣き始めたり…。毎回の繰り返しに、もううんざり。どうすればいいのでしょうか?
実は、がみがみ叱るのは、あまり効果がありません。それどころか、叱られながら、いやいやお片づけをしているうちに、すっかりお片づけが嫌いになってしまうことにもなりかねません。できれば、叱るよりも、「子どもは大人のまねをする」という原理をうまく使ってみてはどうでしょう。人の行動を見て同じようにふるまうことを、心理学では「観察学習」と呼びます。小さい子は特に、親のすることをしっかり見ていて自然にまねる傾向が強いものです。
そこで、大きな箱を用意し、ママが楽しそうにおもちゃをどんどん放り込んで、「あー片づいた♪」「きれいなお部屋は気持ちいい♪」とにこにこしていれば、小さい子どもはそのうち、まねをするようになります。子どもが自分でおもちゃを片づけたタイミングをとらえて、「きれいになったね」「ママ嬉しいな」と少し大げさに喜んで見せるといいでしょう。すると子どもは嬉しくなりママを喜ばせたくて、もっとお片づけしようという気になります。これを繰り返すことで、お片づけの習慣が形成されます。
実は、単純な観察学習なら、まだ十分に言葉でコミュニケーションがとれないような幼児にもできます。ですから、お片づけに限らず子どもにしてほしいと思うことは何でも、「~しなさい!」と言うよりはむしろ、早い段階から、ママやパパが率先して楽しそうに実行する姿をアピールしておくことが、効果的でしょう。
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