ママのためのぷち心理学
きょうだいやお友だちが泣いているのを見た小さな子どもが、「もらい泣き」をする姿を見たことがありますか? 周りの誰かがなぜ泣いているのか、その理由がまだ理解できなくても、そばにいる乳幼児に悲しみが伝染してしまうようです。シムナーという心理学者の観察によれば、なんと生後2~3日の赤ちゃんでさえ、他の赤ちゃんの泣き声を聞くと泣き始めることがわかっています。相手の感情が伝染するということは、実は、相手を理解するための大切な基礎となります。相手の気持ちを自分自身も経験することができれば、つまり心理学で言うところの「共感」がうまくできれば、人間関係がとても円滑になります。相手の喜びや悲しみをともに共有することは、情緒的なコミュニケーションの大きな助けとなるものです。
乳幼児にとっては、一般に、お世話をしてくれるママが最も身近な存在ですから、ママの感情状態から大きな影響を受けます。つまり、ママがニコニコ嬉しそうにしていると子どもたちも嬉しくなりますし、ママが悲しんでいると子どもたちも悲しい気持ちに、ママが不安そうにしていると子どもたちも不安な気持ちになります。私たち大人でさえ、いっしょにいる相手につられて、愉快な気持ちになったり、悲しい気持ちになったりするわけですから、小さい子どもの場合にはなおさら、そばにいるママの気持ちによって自分の気持ちが左右されることは、不思議ではありませんね。
このようなメカニズムをよく理解し、ママの穏やかな表情を通して、赤ちゃんや幼い子どもたちの気持ちをできるだけ安定させてあげましょう。怒った表情や悲しい表情を小さな子どもの前で長く続けないことが大切です。もちろん、そのためには、ママ自身の心の安定が必要。あまり愉快でないことの多い世の中ですが、小さな子どもを育てている間は、特に、気分転換・ストレス発散など心のリフレッシュを心がけましょう。
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