ママのためのぷち心理学
1960年代の、アメリカでの研究です。4歳児の前にマシュマロを1つ置いて、次のように言います。
「私が戻ってくるまで、このマシュマロを食べないで待っていてくれたら、ごほうびにもう1つマシュマロをあげるよ。もし待てなかったら、1つしかあげられないよ」
その子が「すぐ食べたい!」という衝動を押さえて15〜20分間、我慢することができれば、マシュマロを2つ手に入れることができます。4歳児の自制心を調べる、この小さな試練は、心理学者のウォルター・ミシェルが行った「マシュマロ・テスト」と呼ばれるものです。
このテストで我慢できた子と我慢できなかった子は、その後、どうなったと思いますか? 十数年後の追跡調査によれば、両者の間には大きな差が生じていたのです。我慢できた子は、対人関係も良好で、プレッシャーやストレスに強く、困難な課題にも立ち向かい、自分に自信を持った青年に育っていました。一方、我慢できなかった子は、対人関係がうまくとれず、強情なわりには優柔不断で、ストレスに弱く、自分自身に満足できない青年になっていました。そして、学業成績にも、大きな差が開いていたと言います。
ここで、「マシュマロ」を、1つの象徴ととらえてみてください。すると、自分のほしいものを我慢できない子どもは将来どんなふうになるのかが見えてきませんか? また、子どもの自制心を育てるために、親はどのようなことに気をつけなければならないかも見えてくるでしょう。よかれと思って子どものほしがるものをすぐに買い与え、我慢を学ぶ機会を奪うことが、実は子どもの将来を台無しにしてしまう可能性があるということが、わかりますね。
目標を達成するために自分の欲求を充たすことを先に延ばせるかどうかは、人生のあらゆる側面を左右するのです。そうした力は、親の養育態度によって大きく影響を受けます。 かわいい我が子だからこそ、ママやまわりの大人たちは子どもの言いなりになるのではなく、ときには毅然とした態度で臨み、強い自制心で将来を切り開いていける子に育てたいですね。
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